2014-01-01から1年間の記事一覧

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前にちょっと言った、なんちゃら指導認定とかいうのの書類を書くんだけど。まあ相変わらずの先延ばしで、12月頭くらいにその書き方の説明プリントをもらった時に「締切がここで……教員の確認が必要で……仕事納めがここで……ギリギリ先延ばしにできるのはここだ…

森見登美彦 『夜は短し歩けよ乙女』

京都という場所は、薄皮をめくった裏側にいかにも何か隠していそうで、その「ここめくれるんじゃないかな?」っていう穴がいっぱい開いているように見えるのが京都だと思っていて、そのめくった先にこんな狂乱があればいいなあという意味のファンタジー。夜…

川上稔 『境界線上のホライゾン ガールズトーク 狼と魂』

追想の中篇サイドストーリー。戦闘であって戦争じゃないので薄い。普段馬鹿やってるやつらに見えて、それで歴史になっていった人たちの重みを抱えていく役割みたいのがあるわけで、過去はそれが軽いぶんだけ色々未熟。GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン …

笠井献一 『科学者の卵たちに贈る言葉 -江上不二夫が伝えたかったこと』

戦中くらいに名大の教授になったくらいの年齢の生化学者、江上不二夫が後進の育成に際してかけ続けた言葉を、その弟子である著者が追想してまとめる。物凄い勢いで学生をおだてて、生物の実験の人なのに流行りに乗らずに独自に重要な課題をやろうとして、実…

唐辺葉介 『つめたいオゾン』

2人の人間の思考が混じって自己を失ってしまう病気、に罹ってしまった2人の少年少女がモラトリアム的な施設の監視の下に生きる話。少女が、もともと自分の生きてる意味が感じられない、それならまだ分離している今のうちに少年のために自死を選ぼうとすると…

桜庭一樹 『無花果とムーン』

色々歪んだ少女の1人称から語る、義兄弟を亡くしてそれを受け入れるまでの不思議な話。その、普通のラノベとかだったら疾走感とかで誤魔化される少女主人公の暴走を、いちいち周りの人が諫めて、その性格の悪さを指摘したり、あとは文体自体が妙に読みづらく…

山田奨治 『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』

今やってるお勉強の内容に著作権が入ってて、まあこれが、普通にweb見てるだけでこれまでの権利団体のクソみたいな統計に触れる機会が多かったわけで、そんな結果で作られた条文を見る度にわりとモヤモヤする、しかもちゃんと調べてみると、その利益誘導で作…

戸田山和久 『科学哲学の冒険』

科学哲学の入門書。優しい口調で、科学的手法の正しさの根拠を問うための色んな議論を概観する。個人的にこれまで物理やってたのは"超弦理論"って言葉に興味があっただけで世界の成り立ちはたいしてどうでもよい、更に言えばその超弦理論が現実になにか反証…

『リスアニ! Vol.19』

I'veが珍しく真面目に音楽のインタビューを受けていると聞いて買ってきたのだ。まあ雑誌全体、インタビュー以外の部分を埋める文章が、なんか素人の思いつきインプレッションになんでも"感"って付けただけの、クソほどの説得力もない文章をどうにかするため…

米原万里 『旅行者の朝食』

食べ物に関する短いエッセイを集めた1冊。食というのは文化とかアイデンティティにほんとに根強く結びついているもので、オリジンが2つあるぶんそこのギャップを上手く使えて、更に雑学的な知識を混ぜるとエッセイの重さとしてちょうどよい面白さになってい…

-141224

まずは例の春の学会のね、プログラムが出ましたね。まあ申し込んでたやつですよ。俺らの論文ってのがまず、最近流行ってる"なんちゃらめんとなんちゃらぴー"っていう物理量を更に拡張した"すーぱーなんちゃらぴー"っていう物理量をある理論で定義して、でそ…

-141221

まあお勉強はお勉強なので特に言うことはないです。まあ1ヶ月後には過去問を解き始められるのではないか、というとこですね。こんなお勉強があと1年半……! 研究室の忘年会とかありましたね。先週の水曜日とかですが、もう人と会話する機会がびっくりするくら…

ALcot ハニカム 『キミのとなりで恋してる!』

稀代の妹ライターおぅんごぅる氏復帰作! やったぜ! ダメにしてくれる可愛くて綺麗な先輩に甘えたい! かわいいヒロインたちと覚えたてのセックスにずぶずぶ溺れたい! かっこいいお兄ちゃんとして変態妹をちょうどいい距離で溺愛したい! 時折思い出したよ…

半端マニアソフト 『冬は幻の鏡』『カクリカ』

11年前に出てフリー化された同人ゲーのフユガミと、それと世界観(というほど長い作ではないけど)を同じくする夏コミ頒布作のカクリカ。カクリカの方はまあ体験版みたいなもんだから置いとくとして。 フユガミ、北海道の端っこの方の街を舞台にした冬の学園ホ…

-141210

というわけでお勉強を本格的にお勉強化させたというか、完全に暗記科目を復習しまくって基礎を覚えて、新しいことはそんなにやらない段階に入ったのでクソつまらん。 週1くらいで研究室に人を招いてその人の研究の話を聞くやつ、今でも一応賑やかし程度に出…

-141201

条約の本はわりと最後読み流し。なんかもう、こういう専門的すぎる本にはわりと懲りて、専門家向けじゃなくて受験対策の本を読もうと思い立つ。まあそういう本は図書館にはなくて買おうと思うんだけど、3冊組みの1冊だけがどうにも版切れを起こしている。こ…

北岡明佳 『錯視入門』

色んな錯視がカタログ的に並べられている。入門は入門なんだけど、わりと研究寄りで、先行研究の整理という趣が強い。こことここの角度が何度から何度までなら錯視が起きる、みたいなことも書いてあるんだけど、そういうことを言うなら「起きない」場合の図…

村上健司 『妖怪事典』

びっくりするくらいの量の妖怪を取り上げて説明する、まさに事典。どちらかというと、既存の一次資料に遡ってそれらを突き合わせるというところがメイン。この1年くらい出先でヒマな時に読んでて、気になる妖怪をメモしたのが以下である。説明文を読まないと…

竹井10日 『愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 1』

なんかめんどくさい設定が色々あるけど、キャラ全部『東京皇帝』にいたやつじゃねえか!愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 1 (角川スニーカー文庫)作者: 竹井10日出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2014/10/01メディア: Kin…

岡本浩一 『上達の法則』

数年ぶりに再読。練習して上手くなるような技能をどう効率よく上手くなるかということを、"感覚の言語化"みたいなことを中心にきちんと整理したような本。まあ一応物理の研究を数年修めて挫折した今となって思う(そこまで"感覚"に頼る分野ではないけど)のは…

砂義出雲 『天網炎上カグツチ』

ネットで炎上することを力にして戦わされる正義のヒーローを主人公とする。ラノベという分野のなんでもあり感を活かして色んな素材に間接的にぶち当てながら、生きることのつらみを訴えるこの作者の熱さは健在ながらも、この内容だと、出来ればネットの炎上…

森博嗣 『カクレカラクリ』

廃墟オタの大学生2人が夏休みに田舎に赴いて、そこに伝説だけ残されている絡繰人形の謎を解き明かす話。途中で出てくるミステリ的な暗号は一目見りゃ解けそうなもんだし、まあすんなり読めてしまうだけの作という気がしてしまうが。人間の意志の美しさ云々の…

森田季節 『不戦無敵の影殺師 3』

最強と名乗る主人公たちが裏社会の異能にボコボコにされて、よりどころであった強さすら失うところから始まる1冊。実際に最強であるかどうかと最強を名乗るセルフプロデュースとが違うことなんか、当たり前に違うのだろうけれど、実際に目に見える異能力があ…

稲森謙太郎 『知られざる特殊特許の世界』

世の中に実際に出願されている特許(と実用新案)のうち、有名人が出願してたり明らかにトンデモだったりする、みたいな分かりやすく面白いやつの明細書を取り上げて面白がる一冊。その中に特許制度について説明するコラムも結構あるんだけど、意外と刊行が古…

桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』

鳥取の田舎の旧家に生きた女三代を描く。急激に動く時代の影響を受けながら、奇妙な力でそれとどこか切り離されているような赤朽葉家の中を書くことで、背景の中から浮かび上がる強烈なキャラクターが生き抜く様子が印象強くて、普通に面白い。赤朽葉家の伝…

『マン・オン・ザ・ムーン』

30年くらい前に早世したアメリカの伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンの生涯を描く。序盤のコメディアンとして面白いことを言って人気を博していくってあたりの普通のギャグの部分は普通に経年劣化して、たいして面白いとは思わないんだけど、後年にな…

-141124

大学の事務からメールが来て、どうやら卒業に必要な書類を配布するというのだ。さて俺は留年をするわけだけど、しかし留年っていまいちどうやってするのか分からんなと思って。学生証の期限とかあるでしょう、あれがないと学生料金で色んなところには入れな…

Tinker Bell 『蝶ノ夢 〜二人の蝶〜』

9年前の『蝶ノ夢』を5年前にリメイクした抜きゲ。両親の仇への復讐心を胸に秘めながら働く、評判の太夫を女主人公とする。和服の赤さも全部込みでビジュアルは俺のちょう好みなんだけど。人気なのに何をされても拒まないことでも評判とあって、まあ異物挿入…

-141120

5つ目の話 雑誌に投稿してた原稿の査読結果が戻ってきた。なんかえらい丁寧な査読をしてくれるrefereeにあたったみたいで、reportに並べられる確認リストがtypoを含めると16個に及ぶ。直すもの直して、釈明するものは別にすると、確認に手間がかかりそうなの…

10年くらい前の千葉ロッテのヒーローインタビューでやたら「勇気づける」という言葉が出てきた時に、ボビー・バレンタイン監督が「couraging」という言葉をよく使ってたりしたのだろうか、とか思っていたよね。

研究室の遠足で、嵐山の方、保津峡駅から化野念仏寺まで歩いてきたんですよ。まあ紅葉の季節の嵐山、そこをぐねぐねと曲がりながら流れる保津川の横を数キロ歩くわけ。その先にあるのが化野念仏寺、ここの有名なのは西院の河原、その昔にこの辺りで風葬を行…