稲森謙太郎 『知られざる特殊特許の世界』

 世の中に実際に出願されている特許(と実用新案)のうち、有名人が出願してたり明らかにトンデモだったりする、みたいな分かりやすく面白いやつの明細書を取り上げて面白がる一冊。その中に特許制度について説明するコラムも結構あるんだけど、意外と刊行が古くて(14年前。この後に知財立国宣言とかあって侵害の懲罰金とかがかなり上がったりとかしてるはず)微妙に法律が変わってたりするので要注意。そのコラムにもある通り、特許とかって出願するのにも金がかかり認められたらそれを維持するのにも金がかかりなので、トンデモはトンデモでもかなりマジな人たちを扱うことになっちゃって、出願した発明者本人にもコンタクトをとったりしてるんだけど、それを「おっかしーですね、実際出願も拒絶されてます」なんて気軽に笑っちゃうと、わりと趣味の悪いことになっちゃってるのも。あとkindle化する時のOCRに校正が入ってない(横書きで普通と体裁が違うぶん精度が落ちてるのかもだが)酷い誤植がいくつもあんのもわりと雑。

知られざる特殊特許の世界

知られざる特殊特許の世界