桜庭一樹 『無花果とムーン』

 色々歪んだ少女の1人称から語る、義兄弟を亡くしてそれを受け入れるまでの不思議な話。その、普通のラノベとかだったら疾走感とかで誤魔化される少女主人公の暴走を、いちいち周りの人が諫めて、その性格の悪さを指摘したり、あとは文体自体が妙に読みづらくてぎこちない言葉遣い、名付けをしてるせいで、やたら読み進まない不思議な本だった。その色んなものにつまずく感じが18歳の少女として、この作者がよく書くものと同じなのかも知れぬ。