2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

bitterdrop 『波間の国のファウスト』

"特殊経済圏における私たちの絆買い戻しADV"、ということで、稼ぐ金が全てと言われる特殊経済特区に於いて、物凄い額の金を動かす金融経済で幼馴染みたちと切った張ったを繰り広げる経済エロゲ。と言っても、その辺は単に奇を衒ったものではなく、まあ普通に…

林公一 『境界性パーソナリティ障害―患者・家族を支えた実例集』

他人に見捨てられることを極端に恐れて自殺未遂を繰り返したりする、境界性パーソナリティ症候群の症例集。まあ本人に関しては「医者にちゃんと通って薬とカウンセリングをちゃんとしろ」以外に言えることはないといえばないので、メインは周りの人の対応な…

林公一 『擬態うつ病/新型うつ病―実例からみる対応法』『それは、うつ病ではありません!』

Webで有名な林先生の、まあ独自の言葉で言うところの「擬態うつ病」についての2冊。特に理由なく罹り薬を飲み続ければ半年から一年で多くが治る「うつ病」に対して、それと似たようなうつ状態を示すけど別の病気だったりパーソナリティ障害だったり、あとは…

山崎朋子 『サンダカン八番娼館』

わりと有名な本かな。戦前くらいに、東南アジアとかで身を売っていた女性、からゆきさんの実態に迫るため、女性史研究者としての素性を隠しながら天草へ行き、当時のからゆきさんであったろうと目を付けた、物凄く貧乏な女性の家に泊めてもらい、仲を深めな…

-130719

関西なんちゃらなんちゃらー 木曜。ABJMの話を2つ上の人から4.5h聞くという。あの、俺、局所化云々で、この話に詳しいと思われがちなんだけど、わりと早い段階でこの方向のについて行くの諦めちゃってた(squashingに分母公式とか無いからな)ので、細かい計算…

森田季節 『クラスメイト・コレクション』

いつもの軽い方の森田季節。取り敢えず話を回すだけのキャラの数は出したので、次巻以降は1つ1つのエピソードに時間かけることもできるようになるかもしれないね、というところ。クラスメイト・コレクション -僕のクラスは生徒がいない- (GA文庫)作者: 森田…

アサウラ 『バニラ』

電子書籍版。少女の潔癖性を銃器で具現化したような百合ラノベ。更にはそれを見守るオッサン刑事という、百合に対する視点の外部性みたいのも確保されていて、まあわざとやってるならいいけど、書きたいことそのまま書いてこれなら書き過ぎかなー。バニラ A …

三田誠,虚淵玄,奈須きのこ,紅玉いづき,しまどりる,成田良悟 『レッドドラゴン 4』

そうか……。システム的に1回までは死ねるのかー……。忘れてた。RPF レッドドラゴン 4 第四夜 夜会擾乱 (星海社FICTIONS)作者: 三田誠,虚淵玄,奈須きのこ,紅玉いづき,しまどりる,成田良悟出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/04/16メディア: 単行本(ソフトカ…

竹宮ゆゆこ 『ゴールデンタイム 6』

いい人だらけだなー。決意があっさり報われるのは良い。ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,駒都えーじ出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2013/04/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (19件) を…

竹井10日 『ここから脱出たければ恋しあえっ 4』

終わった。エロゲ時代から最後いきなりのファンタジー展開でオチをつけることには賛否があるけど、唐突さと必要性にさえ目をつむれば、ちゃんと予想の一つ上をいくファンタジー展開を繰り出せるだけの引き出しはやっぱさすがかも、と思うようになってきた。…

一肇 『フェノメノ 参』

主人公のホラーに対する覚悟と耐性が付けば付くほど、身近な、日常から一歩外れた時に落ちてしまうホラー、という怖さからはズレて来ているようで、しかし視座としての目線は彼が持っているだけにそれはそれで別の怖さだったり。フェノメノ 参 収縮ファフロ…

瀬戸口廉也 『CARNIVAL』

後日談。美しい。悲しいけれど救い、のようでいてそれは救いでない。自分が死ねばそれで終わりなのだけれど、それでは残された人は決して赦されないのだ。それは"一抜け"なのか。CARNIVAL (二次元ドリームノベルズ)作者: S.M.L,瀬戸口廉也,川原誠出版社/メー…

川岸殴魚 『人生 第5章』

いやあほどよく面白かった。面白くするための言葉選びが丁寧。人生 (第5章) (ガガガ文庫)作者: 川岸殴魚,ななせめるち出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/05/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る

西部謙司 『サッカー戦術クロニクル』

「トータルフットボール」というキーワードを軸に、具体的なチーム名や人名を挙げて、図解しながら過去の際立ったチームを紹介していく。まあ過去の話だけあって整理されて理屈も付いているので、あんまり当時を知らない人がさらっと読むと、それで納得して…

荒川工 『やましいゲームの作り方 2』

エロゲ制作コメディ。物語の駆動からも主人公からも補助輪が外れた。長く続けばいいと思う。やましいゲームの作り方 (2) (ガガガ文庫)作者: 荒川工,nauribon出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/05/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る

支倉凍砂 『マグダラで眠れ 3』

フェネシスがちゃんと1つ意志を持って駆動し始めた1冊。イリーネの挿絵が可愛いがな。マグダラで眠れ (3) (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,鍋島テツヒロ出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2013/04/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) …

杉井光 『生徒会探偵キリカ 4』

最近は初読で「杉井光のことだから、こいつ単なるモブキャラじゃねえんだろうな」っていう風に気をつけて読めるので、2度読み返す手間が省けるようになった。邪気眼ちょうかっこよかった。生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)作者: 杉井光,ぽんかん8出版社…

坂口安吾 『白痴』

戦時中の話が多かったかな。『堕落論』の思想を具現化したような小説、という言い方をされることが多いけど。国などの共同体と自分を切り離して、自分1人の肉欲を見つめてそれに溺れる、個人になれる、その窮屈な軽やかさなあ。本当に戦時中にそういう自由な…

砂義出雲 『寄生彼女サナ 5』

完結。手を変え品を変え、自分の言いたいことを真っ直ぐ書いてくるタイプのシリーズではあったけど、続くに従って文体とかテキストとかに粗が目立ってきていただけに。想定読者層を下に見過ぎてるような気もする。寄生彼女サナ 5 (ガガガ文庫)作者: 砂義出雲…

野村総一郎 『うつ病の真実』

これまでの鬱病治療の、まあDSMによる診断と投薬、みたいな画一的なプロセス(よくいう喩えだと「その辺で転んで折れた骨もスキーで折れた骨も治し方は一緒」とか)に疑問を投げかける形で、鬱病のそもそもの原因を考えてみよう、という動機の本。それでとるア…

ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ 『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 3,4』

ネオサイタマ編後半。話の筋はベタベタ王道だけど、それが文体の馬鹿馬鹿しさを超える熱さをもたらしているわけで、そうして完成したハイブリッドは新しいものとして面白いという。まとめ読みが意外と向いてたな。ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (3)作…

林公一 『うつ病―患者・家族を支えた実例集』

webで有名な林先生が集めた、鬱病治療の実例集。典型的な症状、実際の治療、周りの人のあるべき対応なんかが、実例をもとにコンパクトにまとめられている。あくまで医者にかかって、医者と相談しながら薬を飲むことをきちんとしないといけないんだな、という…

千野帽子 『俳句いきなり入門』

何人か集まってそれぞれの俳句の感想を言い合う"句会"、そこで盛り上がるような俳句を作ることを原理に、俳句の作り方を説明する。まあ自己顕示欲ポエムはクソ食らえみたいな筆致なんだけど、余白を残すことで産まれる色んな人の解釈の面白さみたいなことは…

-130711

3つ目の話 論文にしようと言うことで、序文と結文を書いて教員に送ると、なんとあっさりわりと最初の方に計算ミスが見つかる。直そうとしてみるとかなり根が深い、どころか、かなり昔からなんちゃらboundとして知られている制限があって、今回考えている場合…

WHITESOFT 『運命が君の親を選ぶ 君の友人は君が選ぶ』

『猫撫〜』に引き続いての藤木シナリオ。ほぼ一本道かな。各種の占いというオカルトを題材に選びながら、そことの距離感を上手く保った主人公を視座に据えて、「そーゆー見方もあるか」くらいの冷静さのまま、作品の世界観を説明している。難解と言えば難解…

-130706

研究会 うちとこで国際研究会やってた。有名な教科書を書いてる人とか来てたしね。何にせよ人はいっぱいいるし、何もしてないのに恐ろしく疲れたのだ。 3つ目の話 あんまり進まないので、なんか半年前に一旦区切りを付けたやつで論文にしたらどうかみたいな…