映画

『幕が上がる』

シンプルにとても面白かった。まあ百田夏菜子くらい視線を引っ張る力のある顔を舞台から下ろすって選択だけリアルじゃねーなとは思うが。

『ぼんとリンちゃん』

腐女子とオタクが地方から出てきて、旧友を東京から連れ戻そうとする話。借りてきた言葉の強さも分からずに知った口を利く腐女子の"あの感じ"の気持ち悪さとか、まあリアルっちゃリアルだけど、しかしその程度のものでしかないので、この程度の浅さのものが"…

『半分の月がのぼる空』

時間軸に一仕掛けある映画で、それが露呈するクライマックスが、これまでずっと描写してたメインヒロインが通り過ぎて振り返ったら別人てシーンなんだけど、俺、3次元の女の子に対する解像度が荒すぎて、初見で別人なの分かんなかったんだよね。

『名もなく貧しく美しく』

戦後間もなくのもののない時代に、聴覚障害のある2人が出会って結婚して、苦労しながら子育てをする話。まあ貧しくて、次々と不幸なことが起きてもじっと耐えて助け合って真面目に生きる2人が描かれる。しかし嫁役の高峰秀子、やや童顔なことと、この役の聴…

『ラブライブ! The School Idol Movie』

開幕直後の凜のミニスカートがかわいかった。映画版で外国の都市に行くのは『けいおん!』で観たんだったかハトプリで観たんだったか忘れたな……と思った。現地で長く歌ってる設定の高山みなみ声の女性シンガー(伏線拾わなくてびっくりした、あれ普通は未来の…

『BIUTIFUL』

スペインの下層社会で、不法入国してる中国移民の人材斡旋や、アフリカ人の海賊版バッグ販売について警察に口を利いたりなんていう商売で、子供2人と糊口をしのいでいる男が、前立腺癌で余命2ヶ月を告げられる話。同時に、別居している双極性障害持ちの嫁の…

『劇場版501』

テレクラキャノンボール2013の功労者であるビーバップみのる監督が、有名になりたいというAV女優に、顔射501発のAV記録の映画を作ろうと企画するところから始まるドキュメンタリー。まああっさりその目論見が潰えてからの、映画という形にするための4ヶ月間…

『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ! 』

アニマスの映画版。765プロのアリーナライブということで、みんなスケジュールを合わせて合宿に行ったりもするけど、バックダンサーとして来たグリマス勢があんま上手く行かなくて、しかもうち1人が逃げ出しちゃって、みたいな話。いちおうみんな揃ってて、…

『銀河ヒッチハイク・ガイド』

イギリス製のコメディ調のスペースSF。元ネタはラジオドラマとか小説で、有名な「42」の元ネタでもある。開幕早々の歌のタイトルがイルカが歌う『さよなら、魚をありがとう』だったりする、そんなイギリスノリの、色んなものを馬鹿にしたというか、ほんと下…

『シェルブールの雨傘』

アルジェリア戦争期のフランスの港町を舞台にした、徴兵で引き裂かれた恋を題材にするミュージカル。なんたって色彩感覚のビビッドさがヤバくて、店の壁紙とか服の色とかに濃い色の単色をベタッと置いてあるのに何故かセンスと統一感でありになっちゃってる…

『楽園追放』

全編3DCGのSFアニメ映画。まあ筋はわりと王道っつうか、観てたら流れで次そうなるだろうなっていう展開をなぞる程度であんまり驚きはないかな。結構何でもかんでもうまくいくし、虚淵脚本のわりにハードさはないし、そこまで明確に何かを批評する意図もなさ…

『永遠の人』

1937年の熊本の田舎に、戦地で負傷して戻ってきた地主の息子が、他に恋人のいる小作人の娘を手篭めにして無理やり結婚してからの、数世代数十年にわたるその夫婦を描いた作品。一つ過去の許せないことを秘めながら仮面夫婦を続けていく妻側の頑なさと、最初…

『劇場版 PSYCHO-PASS』

仮想の南アジアあたりの一地域にサイコパスを導入した国を舞台にした話。あんまり敵キャラとかの現地人のキャラ立てはなくて、現地に流れて反政府活動してる狡噛さんと、それを追ってきた常守との邂逅にフォーカスが当たる。まあTVアニメのその後を描く劇場…

『NARA:奈良美智との旅の記録』

睨みつけるような眼をした少女の絵で有名な画家の、2006年にやった展覧会の様子を撮ったドキュメンタリ。数年前に誰かが勧めてたから見たいリストに入ってたんだけど、今度青森の県立美術館行くことにしたので、一応その前に。 少年時代の孤独、滞独時代の孤…

『フォロー・ミー』

ロンドンで会計士をやって上流階級にいるチャールズが、自分の妻でまあ育ちが全然違うベリンダが、最近日中に1人で外出することから浮気を疑って、私立探偵に調査を依頼する話。最初に何気なく入れられる電話のシーンでベリンダ全然浮気してる感じじゃなくて…

『花咲くいろは HOME SWEET HOME』

短めでOVAみたいな感じ。みんな喜翆荘にいるし続編とかではない。 もう、ガチガチの代償行為で自分が泣いちゃう緒花氏最高や。しかしこの映画、あんまり理屈で「わかる。」ってなっちゃうの、自分が年いった感じしてあんま良くない気がする。でもやっぱ『花…

『マン・オン・ザ・ムーン』

30年くらい前に早世したアメリカの伝説のコメディアン、アンディ・カウフマンの生涯を描く。序盤のコメディアンとして面白いことを言って人気を博していくってあたりの普通のギャグの部分は普通に経年劣化して、たいして面白いとは思わないんだけど、後年にな…

『シンプル・シモン』

兄と一緒に暮らすアスペルガー症候群(元は2010公開なのでDSM-5とかあれ)の弟が、同棲していた兄の恋人が自分のせいで出て行ったことから、兄の新しい"完璧な恋人"を探す物語。混乱を避けるために、1日の時間割を秒単位で決め、曜日毎に食事のメニューを決め…

『グランド・ブダペスト・ホテル』

平面的で奥行きのない(あるけど)画面構成の中で表層的な会話がテンポよく進んでいくのが、なんか知らんけどあの時代の東欧の雰囲気に異様に合っていて、何も残らなくてえらく小気味のいい映画。映画好きなら、って感じする。

『舟を編む』

非コミュだけど言語感覚を買われて辞書の編纂に携わることになった主人公の15年間を描くものである。まあその非コミュ云々で困るのは最初の一瞬だけで、それも初期段階で大家さんという理解者はいるし、好きな本を買うだけの金もある、会社の方もちゃんとあ…

『(500)日のサマー』

不思議な魅力で勝手気儘に男を振り回すサマーと、それにベタ惚れて振り回される男の話である。確かに序盤の出会った直後とそれからいちゃこらしてる間のサマーは異様に可愛いが、途中で時間軸を前後して入ってくる、サマー側が勝手に見切って関係がうまくい…

『アナと雪の女王』

どーせCGと音楽だけの映画でストーリーないんだろと思っていたら、知り合いの女の子曰くそんなことないらしい、ならばと言って、飛行機の小さい画面でしかも轟音であんま歌も聞こえない中で見るという暴挙である。 なんかねえ、その知り合いの子もwebの感想…

『たまこラブストーリー』

『たまこまーけっと』の劇場版。たまこまーけっと、何がつらかったかって、商店街っていう場の安定感を優先して(制作陣の言葉を借りると「変わらないものの良さ」とかいう)、あまりに簡単に個人の思いが潰れてしまう、まあ具体的にはもち蔵の告白の不成立が…

『少年時代』

1990年。戦中疎開で富山に引っ越した小学生男子と、その男子クラス内での派閥争い。ガキ大将の1人対1人で向き合った時の優しさと、クラスで多人数になった時に統治する暴力性のギャップ、そこでやり過ぎて破綻が起きて今度は虐められる側にまわるという、ま…

『丹下左膳餘話 百萬両の壺』

1935年公開の、人情もの喜劇時代劇。笑いの質自体はゆるいんだけど、それだけに安心感のある喜劇をテンポ良くきちんとやってる。人情の温度、丁々発止だからこその、意地張った口先の言葉と逆のことをやるおかしみというのは。

『トキワ荘の青春』

『まんが道』の暗い版みたいな感じで、説明台詞のない日常劇が淡々と続いていく。最初は誰が誰の役なのかも分かんないけど、よく見ると『まんが道』の顔にみんなそっくりすぎて笑う。

『モンパルナスの灯』

実在した売れないアル中画家の、どうしようもなさを描くフランス映画。人として駄目なら駄目なりの、でも画家としての溢れるばかりの才能、対応しての敏感さ、貧窮で自分で切り刻むようにその敏感な自分を売っていく、その感じ。それを周りから見ている時の…

『イリュージョニスト』

フランスのアニメーション映画。実在した喜劇役者のジャック・タチという人をモデルにした(つうかこの人は映画監督でもあって、その人が生前に書いた脚本を基にした話)、老奇術師と、その手品を魔法だと勘違いして奇術師について行く田舎娘の話。ほとんど台詞…

『真珠の耳飾りの少女』

17世紀の有名な、フェルメールの絵画をモチーフにした、映像の綺麗な映画。この絵に描かれているのが誰かは知られていないのだけれど、それをフェルメールの家に雇われた使用人だとして、その下働きなのに色彩のセンスがあるメイドとフェルメールとの間に通…

『めぐり逢い』

ラグジュアリな美男美女、コミックリリーフ、切ないロマンス、どれもがキラキラしていたのだろうけれど、王道だけに全部が全部、綺麗に平行移動で古いものになっているので、今観ても「古いなー」としか思わない。めぐり逢い (字幕版)発売日: 2013/11/26メデ…