2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

武者小路実篤 『幸福者』

理想化されつつも人間らしい「師」の言動を弟子の立場で書いたという体をとる小説。思想を理想化して小説に語らせるというのは作家としての当たり前の手法だろうしそれはそれなりの説得力を持つものなんだけど、なんか理想化するあまりにそれに対する悪的な…

090226-27

課題演習A1発表会 26日16時。隣の実験室で実験してた班の発表。題材はポジトロニウムの寿命測定で俺たちの班と被っている(というか上手くいけば俺たちの班の方が上位コンパチになる)ので、わりとしっかり聴けましたよ。結果はすごく良い(理論に合ってるだと…

090225

課題演習 接着剤3日目。一部貼るだけなのに乾くのに丸1日、3箇所付ける部品を作るのに丸3日。今日は特段嫌なことは起きませんでしたので、ブログに書くような愚痴はありません。以後気をつけて下さい。 生協で受験生に対して感じる肩身の狭い思い。

HERMIT 『世界でいちばんNG(ダメ)な恋』

シナリオ丸戸の年上もの。丸戸が書くヒロインの一番良いところを抽出したようなキャラ造型で、良い意味でも悪い意味でも安牌。問題の発生と解決というパターンの繰り返しがほんとに丁寧に書かれていて面白いには面白いんだけど、いつもの丸戸じゃん、と言わ…

080224

課題演習 接着剤で貼るだけ。45分。あのさあ、絶対人手が余るのがわかってて班員全員を集合させることを平等とは言わないんだよね(ジョン・ロール何とかと言う人が唱えた格差原r何とかという概念があってね)。前日に「来たくないなら来なくていいけど」とは…

090223

課題演習 工作。ヤスリと接着剤とわたし。かかった5時間の内、待ち時間と6号館と5号館間の移動時間が大半だと思う。んで、そういう空き時間なんだけど、びっくりするくらいうちの班の人は雑談をしないね。あーの、薄い内容を出来るだけ短くファジーな言葉で…

090221-22

Zwiebach 『A First Course in String Theory』 Maxwell eq.で次元数を増減させたりする話。 日付が変わって今日になったところでポストを見に行ったらPSPのiM@sが届いてたところから完全に寝食を忘れて(水は飲んだ)、一段落した時には14時。一段落というか…

090220

課題演習 本実験用の工作。そういうのは苦手でござる……と思いながらわりと遠目に見守る感じ。今日は何もしてない。使えないにも程があるな。唯一色気を出して余計な手出しをしようとしたらそれが裏目に出る、という最低の不器用っぷり。班の全員が俺のことを…

ゴーゴリ 『外套・鼻』

短編2つ。『外套』は風刺混じりの小説。以後のロシア文学に影響を与えたと言うだけあって、風采の上がらない男の戯画化された舞い上がるような小さな幸せとそれが一瞬で奪われる悲しみが、ロシア文学で連想しがちな暗鬱とした街並みの描写によく合っていてあ…

ニーチェ 『この人を見よ』

ニーチェが精神を患う直前に書かれた、これまでの自作についてバックステージ的な語りを入れた作。文体は怜悧にも見えるのに、大仰な言葉で自分を煽ってるかのような部分もあったりどこか鬼気迫る強い意志と自信で自分の哲学を語る。ある程度著者の作を読ん…

090218-19

課題演習 18日。以前から出てるノイズっぽいものについて考える。TDCに欲しい信号が大きいガウシアンだとすると、それにちいさな正弦波成分みたいなのが乗ってる。おそらくハード系起因だろうということで、回路を分割しながら適当に色々。教員も理由が素で…

090217

課題演習 実験の担当会。考えてきた手順をホワイトボードに並べて説明している最中に、班の内2人が「ちょっと待って、その前に見たいグラフがあるから」とPCを操作し始めて、結局そのまま済し崩し的に作業開始。ふうん、と思いながらホワイトボードに書いた…

090216

課題演習 先週までの実験結果を基にセットアップを組み直して再実験。俺から言わせりゃ結論の寿命として何nsなのかと誤差まで含めて実験だと思うけどね、そこまでやらずに何をやり直すとか考えててもね、なんだけどなー。 Zwiebach 『A First Course in Stri…

フィッツジェラルド 『グレート・ギャツビー』

とりあえず読んだだけ。リズムと色彩で簡単に読み流しちゃったけど。これ何故かペンギンで原語が手元にあるんだよな。グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹出版社/メーカー:…

090212-15

課題演習 12日:オシロスコープのインピーダンス接続の設定を間違えてるのに気付かず1時間吹っ飛ばしたり。その前日には確か、CAMACの電源入れ忘れに気付かず3時間吹っ飛ばしたりしてますからね。矩形波のはずがノコギリ波になってたら接続、TDCで167631だか…

090211

課題演習 教員やTAがいない中の祝日出勤。DAQプログラムの書き換えと、ROOTでの読み出し。PC操作は1人でやるしかないので、人数が多いだけ余計な口が増えて時間的に完全にボトルネック。リアルタイムで文書共有するwebサービスが流行るわけだよ。 Zwiebach …

090210

課題演習 予備実験というか練習の一環かな。そんな大して試行錯誤してないのに、なんでこんなに時間がかかるのかね。謎。 Zwiebach 『A First Course in String Theory』 1章終了。だから読み物だから実質何もしてないって。 午後がまるっと実験で潰れたとは…

090209

課題演習 最終実験のデザイン。教員が席を外している間にみんなで何となくイメージしておいてねという話になったんだけど。話し合いなのにとりあえずホワイトボードの前に出てきて喋りながら考えてる人ってなんなの? なんら喋ってないと死ぬの? 1文字あた…

090207-08

課題演習予習 理論ちょっと。 ぼちぼち通常進行に戻りつつあるんだけど。いったんどうでもよくなるとなあ。

幸田文 『きもの』

半自伝的小説、なんていうけど。「きもの」を通じて追想するように進んでいく女性の半生記。ドレスコードに近い、和装の持つ文脈に象徴される形で少女の成長が説明されていくから、着物に対する語彙が豊富だよね。衣食足りてというように、礼節以前の常識に…

090205-06

課題演習 テスト終了につき活動再開。ちょっと実験やって、あとは理論の固め。『ゴールデン犬と根こそぎウサギの臓物バラエティー〜死ぬまで危機一髪篇〜』で軽やかにお勉強日記復帰を目論んでいたのですが、それどころではないのです。条例上明らかに出来な…

Navel 『俺たちに翼はない』

そいじゃ、とりあえず1周目終了直後の感想をば。良かったよ。最高だよ王雀孫。陛下のとことか読みながらヘドバンしちゃう活字だよ。気持ちよすぎだよ。そしてかーくんかわいいよ。 個人的に2週目の読みどころはやっぱりシナリオ的な群像劇っぽさ、直接的には…

帰省終了につき京都さんからこんにちは。

妖精さんが発生する時には必ずその裏側で反妖精さんが発生しています。妖精さんが耳元で話しかけてくる時にはこの反妖精さんを混ぜることで元の木阿弥と化すことが出来ますが、そうです反妖精さんを常備しましょう。見かけたら虫取り網で一網打尽さ。反妖精…

藤本圭 『黒猫の愛読書 1』

主人公が肌に合わない本はどうしようもないなー。展開やら設定が安く見えて、重厚なはずの描写が全て滑ってるようにしか見えなくなる。黒猫の愛読書 I -THE BLACK CAT’S CODEX- 隠された闇の系譜 (角川スニーカー文庫)作者: 藤本圭,Dite出版社/メーカー: 角…

一肇 『幽式』

かなりちゃんとしたホラー。それでいて結末がなんだかボーイミーツガールな感じになっているのはいいことなのか悪いことなのか、とにもかくにもその過程は結構しっかり書かれてて、気持ちいいには気持ちいい。幽式 (ガガガ文庫)作者: 一肇,わかば出版社/メー…

中村九郎 『黒白キューピッド』

中村九郎のデビュー作。『アリフレロ』とかを体感した後だと、読みやすいと言わざるを得ない。強引な作者のセンスにのみ由来する展開も、なるほどと思わせるだけの力がこの時点で存在する。面白いですよ。黒白キューピッド (集英社スーパーダッシュ文庫)作者…

葵せきな 『生徒会の一存』

ギャグラノベのシリーズ。敢えて場所を限定して会話を使ってひたすら笑かす。かなり面白い。シリアスパートも蛇足みたいに付いてるんだけど、その本編のギャグパートとは完全に分離してるし、まあギャグものでのこういうのは「最後にどう拾うか」という大サ…

森下典子 『日日是好日』

普通の女性の立場から書かれた、ずっと習い続けているお茶についてのエッセイ。序盤は先生の言ったお点前の動作の記述を一生懸命理解しようとする著者の姿が書かれているんだけど(この本の導入部分としてはすごく正しい)、本の中盤を過ぎた辺りから、著者の…

太宰治 『富嶽百景・走れメロス』

戦前の作品に絞った短編集。どうも読点が多くて、読んでてつっかえるなあ。特に気になるのは『女生徒』。14歳の女生徒の1人称で、独白体で綴られる短編。中二病気味の厭世観などの感情を次々に微に入り吐露していくんだけど、それがその読んでてつっかえてし…

谷崎潤一郎 『鍵・瘋癲老人日記』

日記形式で書かれる老人の性生活についての2作。相変わらずこの作者はこの手の、実は弄ばれてる男を描くのがお得意でいらっしゃいますな、という感じ。『鍵』がある意味で、その題材を描くために寓話化というかキャラクターを役割のみに絞って抽象化して結末…