山田奨治 『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』

 今やってるお勉強の内容に著作権が入ってて、まあこれが、普通にweb見てるだけでこれまでの権利団体のクソみたいな統計に触れる機会が多かったわけで、そんな結果で作られた条文を見る度にわりとモヤモヤする、しかもちゃんと調べてみると、その利益誘導で作られた法律の厳しさを文化庁の資料では「わが国では保護が進んでおり〜」みたいな誇り方をしてて実にうんざりする、そんな中に読むこの1冊、わりと著作権に対してラジカルな立場から、これまでわりと見えないところにあったその立法プロセスがどうなっているのか、権利者団体がどんな無理筋な主張をしてきたのか、それでどんな歪みが出てきているのかを解説する。まあうんざりするのが中盤の、数年前のダウンロード違法化での有識者委員会の議事録を読み解く部分で、なんつうか、まあ特に官僚の、現実的な大義名分もなく、主張に自分で落とし処を作る責任を引き受ける覚悟もなく、与えられた指示役割に従って自分が代表する団体の利益誘導を頑なに主張してヘイトを稼ぐ愚直さなんかは、旧日本軍上層部の戦記を読んでいる時と同じ感慨を与える。

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか