2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

桜庭一樹 『推定少女』

この作者らしい、少女が大人を嫌って逃げる物語なんだけど。宇宙人とか出てくる。あんま掴み所のない小説。なんたってエンディングが3通り並列にある。信じたい未来を適当に採用するのだ。推定少女 (角川文庫)作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: KADOKAWA / 角…

竹宮ゆゆこ 『ゴールデンタイム 8』

終わっちゃった。なんか、記憶が完全にぶっ壊れてからサブキャラが頑張るところ、もう1冊かけてじっくりやって欲しかった気がするな……。草原に白テーブル置いたり橋でダッシュしたり、もうただでさえ、最後の方によく分かんないのちょくちょく入ってくるんだ…

丸戸史明 『冴えない彼女の育てかた 6』

こないだ『丹下左膳餘話 百萬両の壺』っていう日本の戦前の喜劇映画観て、「この笑い、どっかで見たことあんな……」と思ってよく考えたら丸戸の笑いだったんだよな。今回は原画パート。まあ最後の引きは普通に読んでて違和感あったとこだったので、加藤の苛立…

森見登美彦 『四畳半神話体系』

アニメ先に見たから「あんま繰り返さないんだー」「飛行機で飛ばないんだー」と思った。まあ個人的には、いま周りにいる人も何もかも物理関係ばっかなので、違うことしたら絶対こんななってないはずなのに……! 感は色濃い。四畳半神話大系 (角川文庫)作者: …

米原万里 『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

幼少時代にチェコ=スロバキアのソビエト学校で共産圏の色んな国の子供たちと過ごし、そのあと日本に帰国してしばらくするうちにソ連崩壊があって共産圏がすったもんだになる、その後に、消息の途絶えたその幼少時代の友人たちを探しに向かうというノンフィク…

内田弘樹 『艦隊これくしょん −艦これ− 鶴翼の絆』

これも艦これノベライズ。船そのものが……記憶を引き継いで艦娘になるねん……。というわけで、わりと史実戦争の話とか多めの構成。この辺はまあ、著者がそこ詳しいんならそこを書くのが一番面白くなるんじゃないの、くらいの気持ち。艦隊これくしょん ?艦これ?…

久弥直樹 『サクラカグラ 1』

おーい誰か久弥の行方を知らんか? でお馴染みの(『Kanon』の企画、『ONE』の茜やらみさき先輩シナリオやらでお馴染みの)久弥、久々にお目見えである。確かに序盤の断章的なモノローグの入れ方とかそれっぽいかなーとか、まあ途中が『Kanon』の舞シナリオ(担…

ゲイブリエル・ウォーカー 『命がけで南極に住んでみた』

化学を修めた経験もあるイギリスの女性ジャーナリストが、南極大陸の滞在経験を記す。もちろん地理的にも物資的にも極限的に隔離されている中、南極条約があって、今南極で出来ることって科学研究くらいしかないという、もう純粋な学術的好奇心をときめかせ…

浅田彰 『「歴史の終わり」を超えて』

フランシス・フクヤマの『歴史の終わり?』を批判的な切り口に、サイードとかボードリヤールとかの有名な哲学者と対談する一冊。20年くらい前の対談集で、現実的な情勢を題材に扱ってるだけあって、まあ哲学に徹するよりは分かりやすいけど、やや時代遅れな感…

-140527

論文読み アメリカ出張までに読むやつの予習なんだけど、1つびっくりするくらい興味の持てないのがあって参った。一応目は通したけど。ビームぶつけてジェットの長さって、なあ……。分からん。 文献発表用のやつは前に読んでまとめたやつを読み返すなど。使っ…

何度目の春だって覚えている、何度目の夏だって書き留めてある。何度目の秋のことだって君に語ろう。そうしたら、何度目の冬だって、一緒に過ごしたことになるから。

研究室の遠足がありましてねえ。年2で行ってて俺がもう5年目なんだから9回目ですよ。飽きるかというと飽きない。というか、過去の遠足行ったところリストみたいのがあって、ちょうどそれが博士課程5年いる学生が同じところをまわることがないよう、10箇所ぶ…

-140522

8つ目の話 京阪乗って大阪に行く途中になんとなく論文読んでたら、自分の計算が間違えてることに気が付いて吐きそうになっている。あと数歩で算数の部分が終わって物理になるかと思ったらこれだよ。なんか一応、違う次元で違う方法で計算する話があるような…

-140513

論文読み 来月にアメリカに行くんだけど、そこでやるスクールの予習読んできてねリストが出たので、それをふらふら読んでいるのだ。教科書を数百ページ単位で2冊範囲指定してくる(まあどっちも読んだことあるけど)人とかいるからね。2年前にトポストのゼミや…

バルザック 『谷間の百合』

前に読んだ『ゴリオ爺さん』と同じ人間喜劇の中の一作。農地でDV男と結婚して2児のいる若妻と、それに一目惚れした若者の成就しない恋の話。まあ想い合っているのもお互い知っている、肉体関係にならないのは夫への貞操のため、離婚しないのは夫のもとに子供…

描いてく 一般のカラー(N_C > N_F=\bar{N}_F=2)で 遥かな夢を

妹が結婚するってんで、両家顔合わせ、みたいのをやりました。まあ最初は出なくていいとか言われてたのが、2週間くらい前に、向こうの家の兄弟がちゃんと揃うからこっちも出てくれとか言われてGWのクソみたいな値段設定の飛行機をとったところで、店が予約出…

いとうせいこう,みうらじゅん 『見仏記』

両著者が各地の色んな仏像を、細かい蘊蓄なしにそれぞれの感性だけで見て語り合う旅行記。文章を担当するいとうせいこうの連想から始まる妄想と、イラストを入れるみうらじゅんの、仏像を今の感覚で格好良いものとして見るための鑑賞技術と、まあいずれにせ…

なかひろ 『初恋コンテニュー 2』

まあ続くのならこの方式かな、という感じで2作目、今度は疎遠になった幼馴染みが攻略対象。その解決もわりと上手く一捻りあって、前巻よりは素直に面白かったかな。鍵で同人書いてたこの著者は、最終的にKanon問題に触れるのかしらね。初恋コンテニュー 2 (…

村上春樹 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』

実家にあったのを10年以上ぶりに再読。ウイスキーの産地を訪ねて、蒸留所を見に行ったりその地元のパブでゆっくり飲んだりする、半分くらい写真の旅行記。10年ぶりに読んで、その間にウイスキーの旨さ(ラガヴーリンうまいな。正露丸だけど)は覚えたけれど、…

一肇 『少女キネマ』

芝居がかったレトロな文体に、大学サークルでの創作活動を賭ける青春小説。創作における才能という身を削った孤高性の切迫感と、それに浮かされた終盤の疾走感あふれる展開、最後にぽすっと受け止められるエンディングで、読み終わった瞬間の読後感は最高。…

森田季節 『不戦無敵の影殺師』

異能が一般化し使用を法律に制限された社会で、強いけど地味で人気のない異能を持った主人公が、売れない芸能人みたいな立場で悩み苦しむ話。異能力バトルものでラノベラノベしい感じになってはいるが、こっから先「年齢を上げた『エトランゼのすべて』」に…

一肇 『桜ish』

打ち切りが残念なラノベ、っていうと確実に名前が挙がることでお馴染みの魔法少女もの。面白いのに2巻で打ち切られている。その後『フェノメノ』で輝くことになる、主人公の内側に潜っていって無意識を引きずり出す作者の手法は、このtranssexualによる少女…

虚淵玄 『鬼哭街』

虚淵シナリオのエロゲ(エロ抜きのリメイクもあるよ)のノベライズ。かなりそのまんま。サイバネカンフーって、あのビジュアルのキモさがまず面白いのと、まあ特にリメイク版の声優陣は豪華で、特に田村ゆかりの演技が素晴らしいので、ノベライズで読んでもあ…

森田季節 『アルケミストの終焉創造術』

異能バトルものにドーピングという材料を入れましたよ、という話。まあ1巻は設定の導入だけだから……。アルケミストの終焉創造術《ニルヴァーナ》 (GA文庫)作者: 森田季節,遙華ナツキ出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2014/04/12メディア: 文庫この…

竹井10日 『彼女がフラグをおられたら 8』

がをられ。ストーリー的には初詣で一回りしたのと、月麦が最後出てきたのと、くらいかな。増えないだけ良しとしよう……。挿絵の白亜かわいい。彼女がフラグをおられたら(8) 今までこの初詣のお守りのお陰で何回も命拾いしたんだ、これ貸してやるよ (講談社ラ…

森田季節 『烈風の魔札使と召喚戦争 3』

未だにキャラの誰の感情の起伏にも着いていけない。驚いてる部分で驚けないし怒ってる部分で怒れない。会話文の口調かなあ。烈風の魔札使(マージ)と召喚戦争 3 (オーバーラップ文庫)作者: 森田季節出版社/メーカー: オーバーラップ発売日: 2014/03/28メデ…

前島賢 『セカイ系とは何か』

エヴァ以降のゼロ年代くらいまでを「セカイ系」という言葉を通して概観する本。確かにこの言葉が流行ってたのって俺が中高生ぐらいの頃で、なんか偉そうなこと言いたい時に、意図された省略も読み取れずに「セカイ系(笑)」とか言ってた自分の浅はかさが思い…

築地俊彦 『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 1』

艦これのノベライズ。ゲームのゲームな部分を上手く理屈にしてたり(らしんばんとか陣形の使い方とか魚雷とか)、公式のノベライズとしてかなり上手いことやってるなという印象で、まあゲームの方をやってる身としてはそっちが楽しい。ストーリー自体はわりと…

竹井10日 『東京皇帝☆北条恋歌 12-13』

中断を経て完結まで。終盤の超展開云々と言われてきたこの作者だが、存分に紙幅を使うと、面白さを捨てないままこんな感じにきちんとまとまるのだな……! コミックリリーフという言葉でこのゆるさが許されると思うなよ……!(褒め言葉) こんだけ複雑だからこそ…

川岸殴魚 『人生 第7章』

ギャグラノベだがあれライズにつきラブ寄せである。人生 第7章 ガガガ文庫 人生作者: 川岸殴魚出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/02/28メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る

『たまこラブストーリー』

『たまこまーけっと』の劇場版。たまこまーけっと、何がつらかったかって、商店街っていう場の安定感を優先して(制作陣の言葉を借りると「変わらないものの良さ」とかいう)、あまりに簡単に個人の思いが潰れてしまう、まあ具体的にはもち蔵の告白の不成立が…