2014-11-29から1日間の記事一覧

北岡明佳 『錯視入門』

色んな錯視がカタログ的に並べられている。入門は入門なんだけど、わりと研究寄りで、先行研究の整理という趣が強い。こことここの角度が何度から何度までなら錯視が起きる、みたいなことも書いてあるんだけど、そういうことを言うなら「起きない」場合の図…

村上健司 『妖怪事典』

びっくりするくらいの量の妖怪を取り上げて説明する、まさに事典。どちらかというと、既存の一次資料に遡ってそれらを突き合わせるというところがメイン。この1年くらい出先でヒマな時に読んでて、気になる妖怪をメモしたのが以下である。説明文を読まないと…

竹井10日 『愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 1』

なんかめんどくさい設定が色々あるけど、キャラ全部『東京皇帝』にいたやつじゃねえか!愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 1 (角川スニーカー文庫)作者: 竹井10日出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2014/10/01メディア: Kin…

岡本浩一 『上達の法則』

数年ぶりに再読。練習して上手くなるような技能をどう効率よく上手くなるかということを、"感覚の言語化"みたいなことを中心にきちんと整理したような本。まあ一応物理の研究を数年修めて挫折した今となって思う(そこまで"感覚"に頼る分野ではないけど)のは…

砂義出雲 『天網炎上カグツチ』

ネットで炎上することを力にして戦わされる正義のヒーローを主人公とする。ラノベという分野のなんでもあり感を活かして色んな素材に間接的にぶち当てながら、生きることのつらみを訴えるこの作者の熱さは健在ながらも、この内容だと、出来ればネットの炎上…

森博嗣 『カクレカラクリ』

廃墟オタの大学生2人が夏休みに田舎に赴いて、そこに伝説だけ残されている絡繰人形の謎を解き明かす話。途中で出てくるミステリ的な暗号は一目見りゃ解けそうなもんだし、まあすんなり読めてしまうだけの作という気がしてしまうが。人間の意志の美しさ云々の…

森田季節 『不戦無敵の影殺師 3』

最強と名乗る主人公たちが裏社会の異能にボコボコにされて、よりどころであった強さすら失うところから始まる1冊。実際に最強であるかどうかと最強を名乗るセルフプロデュースとが違うことなんか、当たり前に違うのだろうけれど、実際に目に見える異能力があ…

稲森謙太郎 『知られざる特殊特許の世界』

世の中に実際に出願されている特許(と実用新案)のうち、有名人が出願してたり明らかにトンデモだったりする、みたいな分かりやすく面白いやつの明細書を取り上げて面白がる一冊。その中に特許制度について説明するコラムも結構あるんだけど、意外と刊行が古…

桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』

鳥取の田舎の旧家に生きた女三代を描く。急激に動く時代の影響を受けながら、奇妙な力でそれとどこか切り離されているような赤朽葉家の中を書くことで、背景の中から浮かび上がる強烈なキャラクターが生き抜く様子が印象強くて、普通に面白い。赤朽葉家の伝…