2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ファインマン 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』

初読だけど、まあ面白かった。何につけて全部一から自分の理屈で理解しなおす、それを度を越した範囲と、その効力を信じる頑なさとで全部をやってしまう点が面白くて、それをやってしまえる速度が、ファインマンさんの天賦なんだろうな。 どうだろうなあ、天…

グレッグ・イーガン 『祈りの海』

わりとハード目なSFの短篇集。初めて読んだ作者だけど、これは凄いなあ。面白かった。ロジカルで、そのベースとなるサイエンステクノロジーの部分も堅実で、設定のための設定にならずに物語として語りたい題材を語っている。祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)作者: …

円城塔 『これはペンです』

表題作。自動筆記、文章生成についてSF的なアイディアを次々と出して、ものを伝えるための文章というものの本質に迫っていくような作。まあ本質に迫ってどんどん皮を剥いでいって、その中に書いた本人のキャラクターがいると思ってる辺りが実にロマンチック…

『風立ちぬ』

艦これとかもそうなんだけど、人の意志を体現するために鍛えられた機械の機能美、それを貴く思う心とは、その体現する意図そのものの良し悪しと切り離した別の軸であっていいものだと思ってるし、まあそれを切り離すためには、これまで戦費としてしか付かな…

心がどんどんささくれてく

アイモバっていうゲームをまだやっている。アイモバについては前も説明しました。なんだ、GPSで日本地図の行ったことあるとこを塗り潰そうというやつですね。そんで、今回の高知出張でも、お仕事が終わった後に電車に乗ってあちこちに行っている。え、学会っ…

-130921

がっかい こないだまでのドイツ出張がずっと授業ばっかりで、まあたまに新しい話もあるものの基本は昔話だし、あとなんたって俺の研究分野とは関係ないんだけど、これがやっと学会で最新の話を半年分いっぱい聞いている、しかもちょくちょく俺らの論文に言及…

『プロメテウスの罠 1』

震災から半年後に始まった朝日新聞の連載で、福島第一原発の事故の直後に何があったのか、静かな口調で事実に基づく形で、個人の名前を出して考証する。なんつうか、マスコミもやれば出来るんじゃん、と思うくらい客観的で明確な取材になっていて素晴らしい…

くつください

みんなは、靴が欲しいって思ったこと、ある? まあ、あるだろうね。じゃあ、靴がないってなったことは、ある? 俺はある。あのねえ、靴がないっていうの、精神的に厳しい。よくあるじゃないですか、どこぞの貧困国に靴を送ろうプロジェクトだの、あれかー、…

西内啓 『統計学が最強の学問である』

統計学を知っていることがどのくらいの利益を生むか、ということを主眼に、統計の力を紹介していく本。まあ、一応俺の副職であるところの素粒子物理は、エラーバーを小さくするためにちょう頑張ってる人たちが近くにいるとこなので、統計の基本的な能力は知…

ニール・D・ヒックス 『ハリウッド脚本術』

ハリウッドでウケるようなストーリーテリングの技術を解説する。なんなら著作権の登録の仕方とかまで載っていて面白い。職業作家として必要なんだろうなあ、まあ論文の書き方指南とかと同じかなあ、と思う。内容はそうねえ、「なんとなく書くな」に尽きるよ…

スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ』

カナダにあるバージェス頁岩というところから発見された化石群に対して、それを復元、解釈することで世にも奇妙な生物たちを再現していく、古生物学者たちの話。ベストセラーになった後、わりと学問的に再解釈が進んで、色々間違いが見つかっている。進化も…

ジェームス・D・ワトソン 『二重らせん』

クリックと一緒に、DNAの螺旋構造を見抜いてノーベル賞をとった人ですね。科学者個人個人を、そこら辺にいる人間と同じく明け透けに書いたことでも知られる一冊で、まあ特にフランクリンのイメージを落としたことでも有名な本ですけど。 なんだろうなあ、個…

幸田文 『包む』

エッセイ集。実生活をしっかりと営む、その中で一瞬、露伴譲りの作家の眼と、人生を積み重ねてきた数十年の重厚さが働いて、切り取って、自省の形を取ったエッセイにしてしまう。最初に現れる『子猫』が珠玉。包む (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者:…

紅玉いづき 『サエズリ図書館のワルツさん 2』

紙の本が高価となった世界での図書館のお話。就活に苦労して、それまで千鳥さんを苛んできた、天職、適職という言葉に、最後にふわっと救われる感じ、小説的な効果みたいな気負いを感じさせない、そのままの優しさって感じで、それがこの小説らしさ、この作…

戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎 『失敗の本質』

80年代から知られる名著で、WW2で日本軍が特に大敗した戦闘を陸海それぞれいくつかずつ選んで、その敗因を主に組織論から探って、現代日本にも応用できる組織論としていく。それが、雰囲気を壊すのが嫌で不条理な作戦に異を唱えられなかっただの、精神論を押…

-130908

さまーすくーる 2週目になり講義内容も変わって心機一なんとか。Poincaré dualの定義とかをお勉強しています。マジかよ。 昨日は唯一の休日で、ゲーテの生家でお馴染みのワイマールに行きました。『楽聖少女』がいずれ聖地にするのでは……? と思って行ったけ…

-130906

さまーすくーる 一週目終了。なんというか、レベル的にはそのまんま日本の夏のなんとかと比較してしまえばよいということが分かって、そう思うと少し気が楽。まあ日本のやつはですね、クソガリ勉がヤンキーに対するコンプレックスをこじらせまくった末に「自…

-130903

すくーる 今のところ、思ってたのより、一段簡単だったかなという感じ。練習問題とかあるけど、M1の時にSUSYゼミで計算したことあるやつとかそういうレベルで、それをわいわい話し合いながらやるというのは、わりと鬱陶しいことの範疇に入っている。あとまあ…