2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

谷崎潤一郎 『潤一郎ラビリンス 2 マゾヒズム小説集』

タイトル通りの短篇集。見た目に反して、どっちかというとマゾ側が主導権を握っている、というのはわりと最近では周知のことだけれど。そのことを大正の当時から完全に分かってて、その行為そのものよりもそこに行き着くまでのマゾ側の行動を人間の物語とし…

イタリア2-5日目

京都のうちの近くにN○AN○Aっていう飯屋があってな。以下、別に貶すわけではないから実名を出してもいいような気がするけど。パスタとか出してるし、まあイタリアンなんだけど。それが、入り口に石のアーチを架けてたり、オープンカフェ部分に植えてある植物…

イタリア1日目

宿舎のLANからこんにちは。日本時間の朝6時に家を出て、あーいまそっち何時だ。8時か。26時間目。ちょくちょく寝たけどな。 今のところ、唯一の収穫としては、飛行機の中で見た『ソーシャルネットワーク』がかなり面白かったことだけです。 あと、トリエステ…

ドストエフスキー 『地下室の手記』

地下室の中に反響するような、自意識過剰の末に引きこもった男が書く手記風の小説。個人的な本として読むのなら(人間の本性の不合理性とかはよくわかんない)、まあ程度こそ違えど、こうやって自意識をこじらせて、もう自分で失敗して自己嫌悪するためだけ…

-110324

けんきう 見ないふりしてたやつ、ちょっとだけ先見が見えた気がするので、とりあえず手を動かしてみる。 日曜からイタリア、行くんですよ。航空券ももう来たし。まあ実感は全然無いし、世話になってる教員にも「とりあえず、行って帰ってくることを目標に」…

ポーリン・ライリー 『ペンギン ハンドブック』

17種のペンギンにそれぞれ数ページずつ割いて、形態やら繁殖やらを説明する、まあかなり詳し目な図鑑というところ。単色の図と、文章による外見の色の説明なんかが多かったりするので、写真集でも脇に置きながら読むといいかも、というところ。各種について…

-110317

りうびる理論 貰ってあった資料を読了。特殊関数s_bがちゃんと出てきて嬉しい。 海遊館行ったですよ。大阪の水族館。世界有数の大きさで、大阪観光のツアーに入ったりするようなとこ。いやー、しばらく水族館なんか行ってなかったから、俺の楽しみ方が間違っ…

堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』

一人称で語られる、軽井沢の鮮やかではないものの確かに美しい自然と、少ない登場人物との朧気な生。『風立ちぬ』の方は特に、サナトリウムで死を待つ婚約者との穏やかな会話が続く。そこにある自然に目を向けるには、スポットライトでは強すぎる。風立ちぬ…

WHITESOFT 『猫撫ディストーション』

わりと懐かしめのスタッフを集めた新作。動ポス系のメタ視点が入ったり量子力学の観測問題やら認識論やらを援用したりのセカイ系、かな。かなりわかりやすく書いてると思うがわかりにくい。そういうシナリオの言いたいことみたいのはかなり面白かったけど、…

森茉莉 『恋人たちの森』

耽美系小説。なんかもう作者が日本に生まれてきたことが可哀相になるくらいのフランス贔屓で、ネコ美少年とタチ美中年の恋愛をねっとりと書いてるの、だった。入ってる短編が1つを除いてどうにもこうにもワンパなフランスキャラとワンパな展開で、しかも頽廃…

110305-09

研究 なんかいまいち文章にしづらいような細々した話の日々。まあ進展が一切無い。楽しくないのがつらい。 昨日かな。ちょいと、古い知り合いが彼女連れで京都に来たってんで、駅で会ってきました。俺とその彼女さん、初対面だったんだけど、まあ彼女さんと…

上田一生 『ペンギンの世界』

「ペンギンと言えば南極」みたいなよくある概念を打ち消すための第一章、体の機構を概説する第二章、泳ぎ方が三章で、進化の痕跡を説明するのが四章、飼育や環境保護なんかの人間との関わりが五章。まあ、良くも悪くも新書。"ただのペンギン好き"よりはもう…

川端裕人 『ペンギン 日本人と出会う』

戦後の捕鯨のついでとしてのペンギンの捕獲から、動物園での飼育に関する試行錯誤や実績の積み重ね、それらを経てペンギンが日本人の中にイメージを持って根付き、ペンギン大国としてペンギンをやたら飼っている国の人間として、環境保護の対象としてのペン…

110301-04

けいさん 普通に出来ない。進んだり戻ったり。 「いま研究してるのは、そうですねー、数学と物理の間あたりのことやってますねー」 「あはははは、難しそー。聞いてもわかんないからやめときますー」 「誰に言ってもそう言われるんですよー」 ↑この答え方で…

久我真樹 『英国メイドの世界』

中世からヴィクトリア朝、そしてわりと最近に至るまでの英国の、いわゆるメイドさんを含めた使用人の実態について、手記や統計資料などの1次資料をまとめた本。職業としての多様性に迫るために、複数の役職を備える大きめの屋敷での使用人事情の話が多くて、…

渡辺俊介 『アンダースロー論』

2003年の最終戦に(最終回にジョニーが復帰するとかいうデマがあったはず)、たしかあれを完投で規定投球回に乗っけてからというもの、ロッテの先発陣の顔となっている(怪我しないで毎年イニング食ってくれるのほんと有難い)、サブマリン渡辺俊介の本。書…

ニーチェ 『偶像の薄明』

晩年の作。いつも通りあれやこれやに悪口を言ってるんだけど、まあ矛先はワグナーとかキリスト教(キリストとキリスト教との違いみたいな)とかで、言いたくもないんだけどしょうがなく、みたいなスタンスをとってはいるものの筆は乗りまくりという感じで、…