2013-01-01から1年間の記事一覧

-131018

3つ目の話 なんとこの話、論文を出したのにまだ終わってないのだ。もう4ヶ月近く前に頓挫した計算を久々に見直してみるなど。あんま気乗りもしないですけど、何もすることないならしばらく。 ついすたー 自主ゼミ用に本を買って前書きを半ページ読んだ。

支倉凍砂 『マグダラで眠れ 4』

最後の、クースラとフェネシスが語り合う10P強の、切り離された静謐感がとてもよかった。ああいうの、すごい好きなんだよなあ。このままフェネシスが成長して、釣り合った時点で間延びせずにシリーズが終わったらすごく綺麗だと思う。マグダラで眠れ (4) (電…

ひえ〜デース

研究室の遠足で比叡山に行きましてな。うちの研究室、1年に2回くらい行くんですけど。去年までいた元所長がこの遠足大好きで、去年までの3年間で唯一その人に俺がマジ怒りされたのって、「君の立てた遠足の計画が生ぬるい、もっと山を登らないと、デートじゃ…

竹内薫 『ペンローズのねじれた四次元』

15年くらい前のブルーバックス。なんか著者の色がきつくて読むのがつらい。相対論を理解するには科学哲学が必要だ、とか言い出すし(そのわりに、ちゃんと数式読めば書いてあることしか言わない)、途中でうだうだ観測問題の話を科哲の言葉でうだうだ語ろうと…

ラブひなしてきた

いつだっけ、確かまだドイツ行ってた頃だと思うんだけど、本郷にある大学の人からメールもらって、前に出した論文について1時間くらい喋ることになったのですね。セミナーっつうんですけど。あの、俺のセミナーの頼まれなさみたいのがちょっと度を越えていて…

-131006

セミナー準備 暗い部屋で1人、iPadを指で弄りながら原稿を繰り返し唱えている。 さて、俺の誕生日と言えば皆さまご存知の通り6月の20日ですが、この日は北海道北見市の人が制定するところのハッカの日であるといいます。その由来は、20日とハッカをかけたも…

丸戸史明 『冴えない彼女の育てかた 4』

べたべたなヒロイン造形にべたべたなストーリー進行、べたべたでテクニカルな文章技法つうか会話芸。求められてるものを確実に返してくる作家だよなあ。冴えない彼女の育てかた 4 (富士見ファンタジア文庫)作者: 丸戸史明,深崎暮人出版社/メーカー: 富士見書…

森田季節 『クラスメイト・コレクション 2』

この作者特有の、設定を飛躍させたキャラクタたちをうまく導入させて、しかも次以降出ても出なくてもいい位置に置いておく、もうこれをパターンにして、あと学園もののテンプレを使えばこりゃしばらく面白いだろうなあ。クラスメイト・コレクション2 -僕のク…

田中ロミオ 『田中ロミオの世相を斬らない』

エロゲ雑誌に連載してたコラム集、っつうかエロゲをネタにしたSS集。まあ、途中からはエロゲにこじつけるオチが読めてくるので、そのこじつけの脱力感を楽しめばいいんだけど、そこをこじつける腕力は、まあさすがのものだったりする。

杉井光 『神曲プロデューサー』

スタジオミュージシャンを主人公にした、杉井光の音楽もの。それで、一般文芸から出してるだけあっていつもより少しだけ登場人物が大人となると、まあ面白くないわけがないよね。うっかり一気読みしてしまった。ほんとは、なんかこういうのこそをラノベが許…

堀辰雄 『風立ちぬ』

サナトリウム文学である。なんのメタファもなくそのまま自然を描写して、その美しさを伝えるのはこの作者ならでは。生を失いかけないと生の美しさが分からないのなら死ぬしかあるまい。風立ちぬ作者: 堀辰雄発売日: 2012/09/13メディア: Kindle版この商品を…

-131003

せみなー準備 発表練習をしようと思ったら、見てくれる人が集まらなくて(共同研究者の教員に断られたりしている)、結局夜の21時くらいに後輩に、「これがプレゼン資料のpdfで、これが読み上げる原稿のファイルね、ちょっと一緒に見てくんない?」とかいう形…

ファインマン 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』

初読だけど、まあ面白かった。何につけて全部一から自分の理屈で理解しなおす、それを度を越した範囲と、その効力を信じる頑なさとで全部をやってしまう点が面白くて、それをやってしまえる速度が、ファインマンさんの天賦なんだろうな。 どうだろうなあ、天…

グレッグ・イーガン 『祈りの海』

わりとハード目なSFの短篇集。初めて読んだ作者だけど、これは凄いなあ。面白かった。ロジカルで、そのベースとなるサイエンステクノロジーの部分も堅実で、設定のための設定にならずに物語として語りたい題材を語っている。祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)作者: …

円城塔 『これはペンです』

表題作。自動筆記、文章生成についてSF的なアイディアを次々と出して、ものを伝えるための文章というものの本質に迫っていくような作。まあ本質に迫ってどんどん皮を剥いでいって、その中に書いた本人のキャラクターがいると思ってる辺りが実にロマンチック…

『風立ちぬ』

艦これとかもそうなんだけど、人の意志を体現するために鍛えられた機械の機能美、それを貴く思う心とは、その体現する意図そのものの良し悪しと切り離した別の軸であっていいものだと思ってるし、まあそれを切り離すためには、これまで戦費としてしか付かな…

心がどんどんささくれてく

アイモバっていうゲームをまだやっている。アイモバについては前も説明しました。なんだ、GPSで日本地図の行ったことあるとこを塗り潰そうというやつですね。そんで、今回の高知出張でも、お仕事が終わった後に電車に乗ってあちこちに行っている。え、学会っ…

-130921

がっかい こないだまでのドイツ出張がずっと授業ばっかりで、まあたまに新しい話もあるものの基本は昔話だし、あとなんたって俺の研究分野とは関係ないんだけど、これがやっと学会で最新の話を半年分いっぱい聞いている、しかもちょくちょく俺らの論文に言及…

『プロメテウスの罠 1』

震災から半年後に始まった朝日新聞の連載で、福島第一原発の事故の直後に何があったのか、静かな口調で事実に基づく形で、個人の名前を出して考証する。なんつうか、マスコミもやれば出来るんじゃん、と思うくらい客観的で明確な取材になっていて素晴らしい…

くつください

みんなは、靴が欲しいって思ったこと、ある? まあ、あるだろうね。じゃあ、靴がないってなったことは、ある? 俺はある。あのねえ、靴がないっていうの、精神的に厳しい。よくあるじゃないですか、どこぞの貧困国に靴を送ろうプロジェクトだの、あれかー、…

西内啓 『統計学が最強の学問である』

統計学を知っていることがどのくらいの利益を生むか、ということを主眼に、統計の力を紹介していく本。まあ、一応俺の副職であるところの素粒子物理は、エラーバーを小さくするためにちょう頑張ってる人たちが近くにいるとこなので、統計の基本的な能力は知…

ニール・D・ヒックス 『ハリウッド脚本術』

ハリウッドでウケるようなストーリーテリングの技術を解説する。なんなら著作権の登録の仕方とかまで載っていて面白い。職業作家として必要なんだろうなあ、まあ論文の書き方指南とかと同じかなあ、と思う。内容はそうねえ、「なんとなく書くな」に尽きるよ…

スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ』

カナダにあるバージェス頁岩というところから発見された化石群に対して、それを復元、解釈することで世にも奇妙な生物たちを再現していく、古生物学者たちの話。ベストセラーになった後、わりと学問的に再解釈が進んで、色々間違いが見つかっている。進化も…

ジェームス・D・ワトソン 『二重らせん』

クリックと一緒に、DNAの螺旋構造を見抜いてノーベル賞をとった人ですね。科学者個人個人を、そこら辺にいる人間と同じく明け透けに書いたことでも知られる一冊で、まあ特にフランクリンのイメージを落としたことでも有名な本ですけど。 なんだろうなあ、個…

幸田文 『包む』

エッセイ集。実生活をしっかりと営む、その中で一瞬、露伴譲りの作家の眼と、人生を積み重ねてきた数十年の重厚さが働いて、切り取って、自省の形を取ったエッセイにしてしまう。最初に現れる『子猫』が珠玉。包む (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者:…

紅玉いづき 『サエズリ図書館のワルツさん 2』

紙の本が高価となった世界での図書館のお話。就活に苦労して、それまで千鳥さんを苛んできた、天職、適職という言葉に、最後にふわっと救われる感じ、小説的な効果みたいな気負いを感じさせない、そのままの優しさって感じで、それがこの小説らしさ、この作…

戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎 『失敗の本質』

80年代から知られる名著で、WW2で日本軍が特に大敗した戦闘を陸海それぞれいくつかずつ選んで、その敗因を主に組織論から探って、現代日本にも応用できる組織論としていく。それが、雰囲気を壊すのが嫌で不条理な作戦に異を唱えられなかっただの、精神論を押…

-130908

さまーすくーる 2週目になり講義内容も変わって心機一なんとか。Poincaré dualの定義とかをお勉強しています。マジかよ。 昨日は唯一の休日で、ゲーテの生家でお馴染みのワイマールに行きました。『楽聖少女』がいずれ聖地にするのでは……? と思って行ったけ…

-130906

さまーすくーる 一週目終了。なんというか、レベル的にはそのまんま日本の夏のなんとかと比較してしまえばよいということが分かって、そう思うと少し気が楽。まあ日本のやつはですね、クソガリ勉がヤンキーに対するコンプレックスをこじらせまくった末に「自…

-130903

すくーる 今のところ、思ってたのより、一段簡単だったかなという感じ。練習問題とかあるけど、M1の時にSUSYゼミで計算したことあるやつとかそういうレベルで、それをわいわい話し合いながらやるというのは、わりと鬱陶しいことの範疇に入っている。あとまあ…