西内啓 『統計学が最強の学問である』

 統計学を知っていることがどのくらいの利益を生むか、ということを主眼に、統計の力を紹介していく本。まあ、一応俺の副職であるところの素粒子物理は、エラーバーを小さくするためにちょう頑張ってる人たちが近くにいるとこなので、統計の基本的な能力は知らないわけではないんだけど。だから、誤差とは何ぞやみたいな話をしてる前半はあんまり。「統計」ではなく「統計学」を謳うからには、もう少し学問としての統計学、最先端の解析について詳しく話が読みたいのになーとは思った。後ろ1/3くらいはそんな話なんだけど、ちょっと色んなトピックが駆け足だし。まあもちろん、この辺はメディアリテラシーの問題で、自分だけ知ってても仕方ない、みんなの常識となってくれないと面倒くさいという話なので、こういう読みやすい本が出てきたこと自体はありがたいんだけど。

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である