2013-09-11から1日間の記事一覧

ニール・D・ヒックス 『ハリウッド脚本術』

ハリウッドでウケるようなストーリーテリングの技術を解説する。なんなら著作権の登録の仕方とかまで載っていて面白い。職業作家として必要なんだろうなあ、まあ論文の書き方指南とかと同じかなあ、と思う。内容はそうねえ、「なんとなく書くな」に尽きるよ…

スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ』

カナダにあるバージェス頁岩というところから発見された化石群に対して、それを復元、解釈することで世にも奇妙な生物たちを再現していく、古生物学者たちの話。ベストセラーになった後、わりと学問的に再解釈が進んで、色々間違いが見つかっている。進化も…

ジェームス・D・ワトソン 『二重らせん』

クリックと一緒に、DNAの螺旋構造を見抜いてノーベル賞をとった人ですね。科学者個人個人を、そこら辺にいる人間と同じく明け透けに書いたことでも知られる一冊で、まあ特にフランクリンのイメージを落としたことでも有名な本ですけど。 なんだろうなあ、個…

幸田文 『包む』

エッセイ集。実生活をしっかりと営む、その中で一瞬、露伴譲りの作家の眼と、人生を積み重ねてきた数十年の重厚さが働いて、切り取って、自省の形を取ったエッセイにしてしまう。最初に現れる『子猫』が珠玉。包む (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者:…

紅玉いづき 『サエズリ図書館のワルツさん 2』

紙の本が高価となった世界での図書館のお話。就活に苦労して、それまで千鳥さんを苛んできた、天職、適職という言葉に、最後にふわっと救われる感じ、小説的な効果みたいな気負いを感じさせない、そのままの優しさって感じで、それがこの小説らしさ、この作…

戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎 『失敗の本質』

80年代から知られる名著で、WW2で日本軍が特に大敗した戦闘を陸海それぞれいくつかずつ選んで、その敗因を主に組織論から探って、現代日本にも応用できる組織論としていく。それが、雰囲気を壊すのが嫌で不条理な作戦に異を唱えられなかっただの、精神論を押…