ゴーゴリ 『外套・鼻』

短編2つ。『外套』は風刺混じりの小説。以後のロシア文学に影響を与えたと言うだけあって、風采の上がらない男の戯画化された舞い上がるような小さな幸せとそれが一瞬で奪われる悲しみが、ロシア文学で連想しがちな暗鬱とした街並みの描写によく合っていてああどんより、という良い小説でした。『鼻』はね、真面目な小説でもそういうのってやっていいんだ、というか。個人的によく使う手法でユーモラスに書かれていて面白かったですよ。

外套・鼻 (岩波文庫)

外套・鼻 (岩波文庫)