2014-05-08から1日間の記事一覧

いとうせいこう,みうらじゅん 『見仏記』

両著者が各地の色んな仏像を、細かい蘊蓄なしにそれぞれの感性だけで見て語り合う旅行記。文章を担当するいとうせいこうの連想から始まる妄想と、イラストを入れるみうらじゅんの、仏像を今の感覚で格好良いものとして見るための鑑賞技術と、まあいずれにせ…

なかひろ 『初恋コンテニュー 2』

まあ続くのならこの方式かな、という感じで2作目、今度は疎遠になった幼馴染みが攻略対象。その解決もわりと上手く一捻りあって、前巻よりは素直に面白かったかな。鍵で同人書いてたこの著者は、最終的にKanon問題に触れるのかしらね。初恋コンテニュー 2 (…

村上春樹 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』

実家にあったのを10年以上ぶりに再読。ウイスキーの産地を訪ねて、蒸留所を見に行ったりその地元のパブでゆっくり飲んだりする、半分くらい写真の旅行記。10年ぶりに読んで、その間にウイスキーの旨さ(ラガヴーリンうまいな。正露丸だけど)は覚えたけれど、…

一肇 『少女キネマ』

芝居がかったレトロな文体に、大学サークルでの創作活動を賭ける青春小説。創作における才能という身を削った孤高性の切迫感と、それに浮かされた終盤の疾走感あふれる展開、最後にぽすっと受け止められるエンディングで、読み終わった瞬間の読後感は最高。…

森田季節 『不戦無敵の影殺師』

異能が一般化し使用を法律に制限された社会で、強いけど地味で人気のない異能を持った主人公が、売れない芸能人みたいな立場で悩み苦しむ話。異能力バトルものでラノベラノベしい感じになってはいるが、こっから先「年齢を上げた『エトランゼのすべて』」に…

一肇 『桜ish』

打ち切りが残念なラノベ、っていうと確実に名前が挙がることでお馴染みの魔法少女もの。面白いのに2巻で打ち切られている。その後『フェノメノ』で輝くことになる、主人公の内側に潜っていって無意識を引きずり出す作者の手法は、このtranssexualによる少女…

虚淵玄 『鬼哭街』

虚淵シナリオのエロゲ(エロ抜きのリメイクもあるよ)のノベライズ。かなりそのまんま。サイバネカンフーって、あのビジュアルのキモさがまず面白いのと、まあ特にリメイク版の声優陣は豪華で、特に田村ゆかりの演技が素晴らしいので、ノベライズで読んでもあ…

森田季節 『アルケミストの終焉創造術』

異能バトルものにドーピングという材料を入れましたよ、という話。まあ1巻は設定の導入だけだから……。アルケミストの終焉創造術《ニルヴァーナ》 (GA文庫)作者: 森田季節,遙華ナツキ出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2014/04/12メディア: 文庫この…

竹井10日 『彼女がフラグをおられたら 8』

がをられ。ストーリー的には初詣で一回りしたのと、月麦が最後出てきたのと、くらいかな。増えないだけ良しとしよう……。挿絵の白亜かわいい。彼女がフラグをおられたら(8) 今までこの初詣のお守りのお陰で何回も命拾いしたんだ、これ貸してやるよ (講談社ラ…

森田季節 『烈風の魔札使と召喚戦争 3』

未だにキャラの誰の感情の起伏にも着いていけない。驚いてる部分で驚けないし怒ってる部分で怒れない。会話文の口調かなあ。烈風の魔札使(マージ)と召喚戦争 3 (オーバーラップ文庫)作者: 森田季節出版社/メーカー: オーバーラップ発売日: 2014/03/28メデ…

前島賢 『セカイ系とは何か』

エヴァ以降のゼロ年代くらいまでを「セカイ系」という言葉を通して概観する本。確かにこの言葉が流行ってたのって俺が中高生ぐらいの頃で、なんか偉そうなこと言いたい時に、意図された省略も読み取れずに「セカイ系(笑)」とか言ってた自分の浅はかさが思い…

築地俊彦 『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 1』

艦これのノベライズ。ゲームのゲームな部分を上手く理屈にしてたり(らしんばんとか陣形の使い方とか魚雷とか)、公式のノベライズとしてかなり上手いことやってるなという印象で、まあゲームの方をやってる身としてはそっちが楽しい。ストーリー自体はわりと…

竹井10日 『東京皇帝☆北条恋歌 12-13』

中断を経て完結まで。終盤の超展開云々と言われてきたこの作者だが、存分に紙幅を使うと、面白さを捨てないままこんな感じにきちんとまとまるのだな……! コミックリリーフという言葉でこのゆるさが許されると思うなよ……!(褒め言葉) こんだけ複雑だからこそ…

川岸殴魚 『人生 第7章』

ギャグラノベだがあれライズにつきラブ寄せである。人生 第7章 ガガガ文庫 人生作者: 川岸殴魚出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/02/28メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る