森田季節 『不戦無敵の影殺師』

 異能が一般化し使用を法律に制限された社会で、強いけど地味で人気のない異能を持った主人公が、売れない芸能人みたいな立場で悩み苦しむ話。異能力バトルものでラノベラノベしい感じになってはいるが、こっから先「年齢を上げた『エトランゼのすべて』」にもなりうる良い黒森田である。その"社会"の一部として働く姿に『つきたま』を見、なんやかんや1対1で異能を振り回すバトルにする設定は『ウタカイ』以降の積み重ねがあり、なんというか、買ってきた甲斐があるなあと思う。