堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』

 一人称で語られる、軽井沢の鮮やかではないものの確かに美しい自然と、少ない登場人物との朧気な生。『風立ちぬ』の方は特に、サナトリウムで死を待つ婚約者との穏やかな会話が続く。そこにある自然に目を向けるには、スポットライトでは強すぎる。

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)

風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)