川端裕人 『ペンギン 日本人と出会う』

 戦後の捕鯨のついでとしてのペンギンの捕獲から、動物園での飼育に関する試行錯誤や実績の積み重ね、それらを経てペンギンが日本人の中にイメージを持って根付き、ペンギン大国としてペンギンをやたら飼っている国の人間として、環境保護の対象としてのペンギンに関わっていく責任、なんてものが一連の流れとしてあるっぽい。で、その1つ1つにスポットを当てて、実地としてペンギンたちに直接当たった、日本人たちについてのルポルタージュ。無残な飼育失敗と、真剣な試行錯誤でそれなりの結果を切り開く飼育員、みたいなのにありがちと言えばありがちな感動みたいなのはあって、そういうルポルタージュの作り方は、この著者が元テレビマンというのをわりと想起させられるところはある。

ペンギン、日本人と出会う

ペンギン、日本人と出会う