渡辺俊介 『アンダースロー論』

 2003年の最終戦に(最終回にジョニーが復帰するとかいうデマがあったはず)、たしかあれを完投で規定投球回に乗っけてからというもの、ロッテの先発陣の顔となっている(怪我しないで毎年イニング食ってくれるのほんと有難い)、サブマリン渡辺俊介の本。書かれたのは2005の優勝後と、あと2006のWBCとその後の不調についてという辺り。まあ飄々としてるイメージが強い俊介だけど(そのわりに、上手く行かない時のドツボの入り方がえらく深いというのは、この本で捕手陣などから指摘されてる"考えすぎ"というのがあるかもだけど)、一般的な素質がないだの、偶然に恵まれただのしれっと書いてあって、でもやっぱり努力とか工夫とかいいう面での才能があることはちゃんと伝わってくる。そういう経験談の部分と、あと出来るだけシンプルに洗練されつつあるアンダースローとしての投球術、特に本人がよく「前後」の距離感を使うとか言うけど、その部分の技術的な話もあって(変化球の握りとか写真付きである)、ロッテファンとしてはわりと満足。

アンダースロー論 (光文社新書)

アンダースロー論 (光文社新書)