信田さよ子 『母が重くてたまらない』

 個人的には前にも少し言いましたけど、「子のためを思って」過干渉の母親と、それを無碍に出来ない「いい子」の娘って関係が本当に嫌いで。その辺りのケーススタディをいっぱい集めて、で少しだけその母向けにも娘向けにも、どう考えたらいいかの対策が述べられている。カウンセラーとして実地に当たっているぶんだけ筆致は実際的で、その「少しだけ」の対策でしか人は動けないし、それだけで一先ず救われる人がいるのも知っている。結果として、主な原因、障害の1つとして「父親の家庭内での不在」を挙げていて、まあそれはそうなんでしょうけど、だったらその父親が手に取るような装丁と書題で一冊あったらいいなと思いました。

母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き

母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き