神話の共有。

 ゴールデンウィークに沖縄に行ってきたんですよ、って俺が言うと、色んな人に怪しまれる。cmizunaさんが沖縄て、って思うらしい。いいじゃんね、別に。ほら、アイマスのエリアゲーム、アイモバ的にも回収に行きたいし(アイモバの説明は1年前にもしました。つか1年経っても超楽しんでるという)。いや……まあ……ほんとは、彼女とどっか行きたかっただけなんだけど……。結果的に今回の沖縄旅行で印象に残ってることって、1番は彼女に「早漏」ってなじられたことだし(……このブログ、先輩やら後輩やらに見られてるらしいんだけど、そんなとこでこんなこと書く必要、ある?)、2番目は「cmizunaくんは堪え性が無いから人の親にはなれないね」って言われたことだし、3番目は最終日の夜に夢で彼女の父親に「お前はそんな低収入で、しかも奨学金という借金も700万抱えて、それで結婚なんか出来るわけ無いだろう」ってなじられる夢を見たことです。それはもしかしたら、寝てる俺の耳に彼女が夜中じゅう囁き続けてたからではないか?
 話を最初に戻すと、もう3月の頭くらいには彼女と話して、沖縄に行くの決めててさ。よく分かんないけど飛行機とホテルさえ押さえておけばどーにかなんでしょ、と思って、んで予約してから次の日くらいに沖縄のガイドブック買ったら、えー、沖縄ってレンタカー無いと話にならないらしいのね。空港の周りにちょっとモノレールがある以外は、一応バスもあるけど、それも地方に行くと1時間やら2時間に1本とか言うのもざららしいんだ。そもそも俺、沖縄本島がそんなデカいのも知らなくてさ。首里城美ら海水族館もちょちょっと適当に回れるもんだと思ってたんだけど、全然そんなことはなくて、那覇空港を真ん中くらいにして南北に100kmくらい、で水族館なんかバスで行こうとすると、片道2500円、3時間からかかるんだそうだ。えー、俺も彼女もペーパードライバーもいいところ、まあこれに関しては俺が先月始めに冗談で彼女に「車の運転、練習しといてよ」って言ったら本当にそれから実家で練習し始めてさ(のろけ)。まあ兎に角、勢いで沖縄行くって決めたけど、すごいめんどくさいってことに後から気が付いたし、あと、飛行機とってからGWまで2ヶ月、別れずにいることがまず大変だったよね。
 予定としては、4/26の金曜の夜に沖縄で集合して、で1日目に北の方、水族館に行ってから、まあ戻って来る途中で色々寄ったりする、2日目に南の方にある、斎場御嶽っていう、沖縄の世界遺産の1つで、なんだろう、琉球神道の聖地みたいなとこと、あと琉球ガラス村に行こう、ってことにして。で、ですねえ。まあバス移動が基本になるわけですけど、そんだけあちこち行くなら、1日乗車券的なものがあるかな? って調べてみるじゃないですか。あるんですよ。えー、沖縄にある4つのバス会社のうち2つで効くやつ。そんな区分、知るかよ……。で一応調べてみたら、北の方に行く1日目はその1日乗車券が使える会社で、2日目の方は使えないんだそうだ。でもなー、と思って。1日目の方、途中までフェリーを使おうと思ってて。えー、彼女が海が見たいって言うから。え、見たい海って、そういうやつか? もっと、白い砂浜、透明な波、全裸で流れ着くおじさん、みたいなのが見たいってこっちゃないのか? うるさい! まあだから、1日目の方に1日乗車券を買ったところで、大して浮かないんですよ。精々数百円とか。それでもなんだ、あれじゃん、京都のバスみたいに、予め小銭作っておかないと面倒くさかったりしたら嫌だなっていうのと、あと帰り道でも、窓から景色見て降りたくなったら降りる、みたいなことが出来たらいいかな、っていうのがあって。まあだけど、この1日乗車券を買うのもめんどくさくて、なんかバス会社の事業所みたいのに行かないと駄目なんだ。1日目のフェリーがこれまた朝早い1便しかなくて買う暇ないし、沖縄に着く日に買おうにも、俺がお仕事終わってから乗る飛行機が着くのなんか22時過ぎで事業所なんか開いてないわけね。まあだから、それよりは早く着く彼女に「なんか1日乗車券てのがあるから、それを2枚買っといて、なんか同じ事業所に2種類の1日乗車券があるけど、土日限定の\2,000くらいのを2枚だよ、」みたいなメールを3回くらい送って、あと「今何してる?」ってメールを1日80回くらい送って(うそ。ほんとはむしろ、メール送らなさすぎて別れる別れないみたいな話になった)、1日乗車券を彼女に買っといて貰おうというのが、まあ沖縄に着くまでの予定でした。
 で、沖縄に着きました。アイモバで位置情報を取得するとGPSで出ます北緯26度、こりゃ確かに沖縄だ。次の日のフェリーが朝早くてホテルの朝食も間に合わないから朝食を仕入れよう、なんつって、近くの24時間スーパーで惣菜やらパンやら買い込んでからホテルに行きます、まあ彼女がいますわな。はいはいつって。まあ兎にも角にも寝ないと、明日の朝は6時までにホテルを出ないとからねえ、ところでその1日乗車券は買った? なんて訊いてみたら、見せられた1日乗車券に堂々と『4月28日』って書いてある。2日目の日付なんだ。あー、使う日付、買う時に言うんだ……。でも大丈夫、明日の1日目は南に行って、水族館は2日目だ。じゃあ取り敢えず明日は8時前に出れば間に合うよ、朝ご飯もホテルで食べれるね、なんつってさ。最近の俺は、立ててた予定がこのくらい狂ったくらいではパニックで漏らしたりしないのだ。そう言って買ってきたお総菜のうち、なんとかいう沖縄銘菓のお餅を食んでみると、これがびっくりするくらい味気なくて不味い。そんな予想外のことが起きても俺は漏らさない。漏らさないのだ。

 起きて初日、ホテルで朝飯食って、でモノレールで近くのバスターミナルに行くわな。沖縄のバス、どのガイドブック読んでも無いことにされてるか、一言「地元民でも乗りこなすのは難しい」って書いてあるだけのバス、確かにバスターミナルの時刻表も頼りないんだ。そしてその時刻表に書かれてる時間になってもバスが来ないんだ。ビビるじゃん。結局3分後に来たけどさ。なんかボロい感じのやつ。あの、窓がくさい。そんでそのバスに50分くらい乗った先にあった斎場御嶽前とかいうバス停で下りる。なんだろうなー。朝早いせい(9時に開く)もあったけど、バス停からその世界遺産まで、全然人いなくて。世界遺産だよ? まあやっぱり、近くの駐車場まで行くとそっからそこそこ人が増える。で、まあ、その斎場御嶽琉球神話とか琉球王権にとってはかなり神聖なものらしいんだけど、そのわりになんかノーガードなのね。森の中にある岩場みたいのがそうなんだけど、ちょっと高くなってる台みたいのが物凄い神聖視されてるところで普通の人は登っちゃ駄目とか、岩場から染みでて上から水滴が垂れてくるのを受け止めてる水瓶みたいのがあって、全然手を伸ばしたら届きそうなところにあるんだけど、それは神聖な水だから触っちゃ駄目だとか、無造作に置いてある四角い石みたいのは重要な香炉だから動かさないで、とか、なんか、物凄い神聖なところに来ているはずなのに、色んなものがノーガードで置かれていて、それを守るのは一応立ってる注意書きの立札と、あとはなんか、見る人側が持つ琉球神道への敬意だけ、なんだよね。一応そこの斎場御嶽に入る時に、最初に資料館みたいのに入って説明書きのパネルを読まされるんだけど、そんなの実物見ながらじゃないとたいして分かんないじゃん。俺はわりとそういうのを真剣に読みたい人だからちゃんと読んでたけど、彼女なんか飽きて外に出てっちゃってたからね。まあその説明書きもスピリチュアル系みたいなことも書いてあってうんざりする感じではあったんだけど、なんつうか、もっと大事にされて良さそうなものだし、大事にしてる人には大事にされてる場所なんだけど、なんか舐められてる、つうかなあ。もうちょっと見せ方があるような気がするし、宗教的な威厳ってのはどっから表れるものなんかなー、現地の神話を知っていればいいのかとか、民俗学的に宗教が人に与える影響も知っていれば自分の知らない宗教でもそこの聖地を尊敬することが出来るのか、とか1人で色々考えた。彼女はその辺の犬と遊んでた。まあ実際は、ガイドの引率無しに入れないようにする、とかで全然違うような気もするんだけど。
 そこを出て、まあ次の琉球ガラス村に行こうとするんだけど、そこが砂浜近くてさ。車道から脇に逸れて結構きつめの斜面を下れば行けそうなんだね。全然誰もいない砂浜。俺は高低差のあるところを歩くのが嫌いだから行きたくないんだけど、まあ彼女がそこに行きたがるのね。俺ら2人は行動原理が違いすぎるな……。まあちんたら行くけどさ。途中で車に鎌を積んだおじさんと擦れ違って「ちょうこえー……」とか思いながら。あの、沖縄の砂浜って、枯れた珊瑚の欠片みたいのがいっぱい流れ着いてきてんのね。白くて硬くて軽くて、あの、すげえ人骨に似てるの。最初に見た時すげえびっくりして。2月くらいに祖父の葬式で人骨見たばっかじゃん、そんなのが砂浜一面に欠片があるんだもん。これが珊瑚なのでは? って気が付いてスマホでググった時は超安心した。あとこの珊瑚、記念にいくつか持って帰ってきたんだけど(なんなら実家に、人骨って言って渡そうかと思った。あいつらも葬式出たばっかだからな)、家に持って帰って見たらなんか黄ばんでるしボロボロ崩れるしどう見てもゴミだった。

あと帰ってからのは

 んで琉球ガラス村に行こうとするんだけど。その斎場御嶽が本当の南東にあって、ガラス村が南西で、ぐるっと本当の南端を回って行くバスがあるもんだと思って、さっき降りたバス停で待つんだ。もうそのバスも1時間半に1本とかなんだけど、それを30分近く待ってようやく来そう、ってとこになってから、乗るべきバスが逆向きだってことに気付くのね。一旦、ほぼ出発地点まで戻らないとガラス村には行けないんだ。急いで逆向きのバス停を探すんだけど、それも普通に道路の向かいとかにはないんだ。んなこと言ってる間に1時間半に1本のバスを逃したらもう駄目じゃん、泳いで京都に戻りたくなるに決まってるじゃん。ヤバいと思って手分けして探して見つけたら、もうバス来る10分前とかだった。まあしかしそのバスにびっくりするくらい酔って。すげえ眠いしウンコしたいし、昼前で腹は減ってるし。寝飛ばそうにも彼女が先に寝てる。次の乗り継ぎが20分だから、そこでなんとかしようつって。で、乗り換えのバス停で下りたんだけど、そのバス停に書いてある時刻表には、次に俺が乗りたいバスの番号は書いてないんだ。逆かっつって向かいのバス停を見ても書いてない。吐きそう。もうしょうがないから乗り換え諦めて、その辺の生協に入ってトイレ借りてリポD買って飲んだらだいぶ良くなってさ。で今度こそバス停探そうって言ってたら、目の前で乗りたいバスが信号待ちしててさ。彼女と2人で困った顔しながらそのバス見てたら、ドア開けてくれたよ。沖縄のバス、困った顔してバスの運転手見ると開けてくれる。なんなら、そのバス降りた次の乗り換えでもそうしたもん。あと、沖縄のバス、小銭は降りる時に両替することを推奨される。京都みたいに、予めご用意をみたいなこと言われなくて、急がないぶんには楽(まあ定額じゃないからとかあるだろうけど)。
 なんか最後に乗ったバスはえらい農道みたいなとこを通るんだ。もう地元民同士の会話なんか聞き取れないよね。これは……? とか思いながらバス乗ってたら、それでも琉球ガラス村、着きました。そこの飯屋が安い割に沖縄そばとか食った気になれて良かったね。ガラス村自体はなんだろうね。まあお土産屋さんメインかな。来たがってた彼女も、別にガラス作りの工房見学とか体験とかがしたかったわけではないらしくて、アウトレットですごい色々買って家に送ってた。俺も1個自分用に置物買ったけど。で、またそっからバスで那覇のホテルに戻ってきました。

 ホテルに入る前に近くのコンビニ行ったり、あと近くの古本屋に行ったんだけど、俺はもう眠くて仕方ないのね。彼女はバスん中でずっと寝てたから知らんけど。そんで、昼も遅かったし、一旦ホテルに戻って休んでから、改めて飯食いに出かけようっつって。そんでベッドで30分だけ寝かせてくれっつって寝て起こされて、それでもっかい外出れる? ダルくてしょうがないわけ。だって眠い。半寝の状態でずっとそんなこと愚痴ってたら、彼女が「じゃあ寝てれば」っつって1人で出かけたのね。あの、そういう勝手にしてれば系の嫌味みたいなやつ、俺、本当に気にせず寝ちゃうタイプの人だから。本気で寝ようと思って、歯を磨いてシャワー浴びてたら少し目が醒めて。眠くなるまでiPadで論文読んでたら彼女が部屋に戻ってくるんだね。無言のまま買ってきた酒をぐびぐび飲んでいる。「飲んでんなー」と思いながら俺もiPadで論文読み続けてるんだね。そしたら彼女が急にトイレに駆け込んで吐いてるんだ。「え……」と思って。そっから先は一緒に飲みました。そんなんなの?
 で、次の日の朝だよ。フェリーに乗るのに朝6時に起きて、港に向かう途中で、えー、買っておいてもらってた1日乗車券をホテルに忘れてきたことに気付くという。あーあ、つって。なんか、用意周到に計画してきたつもりのやつが逆に損するやつだ、つって。1人だったら漏らしてた。隣に彼女いたから漏らさなかったけど。フェリー乗ったね。2時間くらい。えー、特に楽しいことはなかったです。一応看板に出て海は見たけど、高くてちょう怖い以外に感想はないんだ。で船室で2人で寝てた。まあ寝れただけバスよりマシかな。港から水族館は、なんか船を下りてから30分くらいバスを待たなきゃ行けないらしくて。それで実際バスに乗るのは20分くらい、みたいな行程なのね。もうバスの1日乗車券を忘れたことで俺、拗ねてるじゃんか。タクシーでもいーかなーって。あの、沖縄のタクシー、観光客がうろうろしてると向こうから声をかけてくるのね。でこっちが「水族館までいくらだ」って訊くと、まあ\1,500だって言うわけ。それはそれでいいんだけど、そっから先がめんどくさい。なんか、水族館はともかく、今帰仁城に連れてこうとする。なんか世界遺産がどうのこうの首里城よりすごいだの言って来るんだけど、こちとら沖縄の世界遺産がよく分からんというのは昨日知ったじゃんか。なんかあちこちを観光して\10,000でどうだだの、水族館は午前中が混むから後にしようだの言ってくるんだけど、もううるさいんだよね。水族館は朝一に行くのが一番いいっての、基本でしょう。朝一の水族館が混んでたら一日中行く時間なんか無いよ。もう、いいから水族館にだけ連れてってくれっつって。まあ確かに\1,500で連れてってはもらったけど。
 美ら海水族館ねえ。うーん、デカい水槽の凄さが、あんまり俺はよく分からないんだよなあ。海遊館の時もそうだったんだけど。ちょっとカフェ的なとこに座って、ゴムみたいなカルボナーラ食いながらじっくり見たから、海遊館の時よりはのんびり見れて、まあ確かにすごいか……とは思ったんだけど、個人的にはその横のオマケみたいに付いてた、危険ザメコーナーにいたレモンザメの顔の悪さ(これは一見の価値があると思う)とか、実際に触れるサメの歯の標本見てどれにチンコを入れると痛そうかとかいう話を彼女としたりする方が楽しかった感がある。イルカのショウも見たけど、どーかな、まあ似たようなの去年の和歌山で見てるからなー。あと隣の植物園、行ったね。蘭の特別展とかやってたけど、よく分かんなかった。勝手に花言葉を設定する遊びでもしようかと思ったけど、彼女がそんな乗ってくんなかった。植物園って、季節依存性が特に高くて大変そうだなとは思った。歩くのすごい疲れて愚痴ってたら、その「cmizunaくんは堪え性が無いから人の親にはなれないね」とかいうのを言われた。まあそうだろうねえ。

 んでカレー食ったりして休んでから、いざ那覇方向へ戻ろうとすると、バスがまた1時間半待ちとか言ってるんだ。全然待てるけどさ。バス停の隣のタクシー乗場からは、さっきのうるせえタクシー運転手がこっち見てる。まあ彼女と喋りながら1時間半待って。んでバスに乗るじゃん、彼女は寝てるし、バスはなんか笑えるくらいの山の中に入って行くし、乗り継ぎ1回失敗するし、バスは海沿いを物凄いスピードで走っていくし。あのスピードはなんだったんだろうな。誰もいないバス停はガンガン飛ばして行くし、それでも一切時間調整しないってことは早すぎるってことはないわけだし、よく分からんが、しかし。まあ色々、見たことない風景を見れたのは良かった。こういうのを貯めていくと本読む時にたまに使える。
 それで国際通りに着いたのがもう8時前くらいだよ。なんか彼女が服欲しいらしくて。わりと良さげな服屋兼雑貨屋みたいので服買ってた。それからなんだ、適当に決めたそこら辺の焼肉屋みたいので飯食ったんだっけ。ヤギ肉、初めて食ったよ。焼肉にしたやつは、なんかジンギスカンと同じ味がしたんだけど、ヤギ汁にするとすごいね、ヤギくさい。そう、そこでオリオンビール飲みながら飯食ってたら、三線持った人が来て、なんか弾いてくれるっていうのね。で曲表見せて貰ったんだけど、まあ沖縄民謡、全然知らなくてさ。で最初のページくらいにあった『ハイサイおじさん』って曲を選んだんだ。えー、『変なおじさん』の元曲として、あと高校野球の応援歌として有名らしいんだけど、俺も彼女も知らなくて。でも弾いてもらったら、楽しげでいい曲でさ。もう次の日もことあるごとに彼女と一緒に口ずさむくらいで、なんなら俺、家に戻ってからitunesで元曲買ってるからね。で、wikipediaで調べてみたら、なんか物凄い壮絶なバックグラウンドを抱えた曲らしいのね。もうそれ知っちゃったら、聴いても楽しくないよ……。
 結局オリオンビールの中瓶を俺1人で空けてホテルに戻って、まあこれが最終夜ですよね。すごい眠くて。彼女に「早漏」ってなじられながら「これで寝れる……」って思ったのは覚えてるんだけど、あれ、彼女にお財布もらったのってこの日? この日かな。確か貰った時に「これをあげるから機嫌直してよ」って言われたのを覚えてるから、あれ、この日も俺、なんか機嫌悪くなってたのか? それ多分、急に抱きつかれて眼鏡が曲がったから、だと思うんだよね。まあ兎に角。そう、彼女から財布を貰ったんですよ。前に会った時に、財布が欲しいって話は少ししてて、しかも海外に行く時用に常にポケットに入れれてチェーンも付けれるやつがいいんだよねえ、あと風水的に財布って自分で買わずに人から貰う方がいいらしいよ、ということを口走ったのを覚えてたらしくて。そこまで口走ってたならそれは、ねだったのとほぼ同等だろ。まあそのオーダー通りの素敵なお財布です。大変気に入ってるので、このブログを読んでいる俺の後輩方にあらせられましては、さり気なく俺の財布を褒めると良いと思います。そしたら俺も「こいつも俺のこと早漏だと思ってるんだ……」って凹みます。じゃあ書かなきゃいいのに……。
 最終日、彼女が昼過ぎの便で戻るので、午前中に一応首里城に行くことにするんだけど、もう朝9時にホテルを出た時点でほぼ時間がないことが分かるわけ。そしてモノレールの首里駅から首里城までも遠い。一応入場料払って回ったけど、なんか人いっぱいいるところをすたすた通り過ぎてほぼ何も見なかったし、ちょっと道から外れたところを歩いたら警備員さんにすごい怒られたことしか覚えてない。んでそのまま空港行って彼女を見送りました。12時過ぎかな。俺の飛行機は17時。なんならもっかい首里城に行き直せるんだけど、まあでも結局、空港で座ってずっと論文読んでましたかね。そう、一応研究室にお土産を、と思って、安くていっぱい入ってる黒糖チョコを買ってって。そんでまあ、遊びに行った時のお土産をあんまり大っぴらに配るのもなんだなっつって、学生にだけこっそり配ったんですよ。土産話をしながら。すると、チョコあげた先輩も後輩もなんか首をひねってるんだ。なんじゃいな、と思ってると、「え、行ってきたのは沖縄本島?」「そうですよ」なんて言ってると、よりいっそう首をひねっている。なんだっつってよく見ると、そのチョコ、石垣島チョコって書いてあるんだよ。なんか、安さと俺の自分で食べたさを最優先させてたら、行ったこと無いとこのお土産買ってた。い、石垣島か……。ロッテの春キャンプくらいしか思いつく用事はないけど、え、来年の春に行く? そして、それまで俺と彼女は保っているのか……?