東浩紀 『クォンタム・ファミリーズ』

 3年積んでる内に文庫落ちしてたりしたけど。なんか、35歳問題というもの(元ネタは村上春樹の短編で、これまでに成し遂げたこと、これから成し遂げられるだろうこと、だけでなく、成し遂げられなかったけど成し遂げられたかも知れなかったこと、にも人生は満ちていて、で35歳問題くらいにそれらの量のバランスが逆転するという話)をテーマにして、多世界解釈に基づいた平行世界から「有り得た現実」に対する夢想なんかを扱う、意外とド直球にサイバーパンク有りのSF。使ってる言葉の小難しさとその正確さが読んでて面白かったし、35歳問題、まあ古いエロゲオタとしてはKanon問題について考えなかったことはないはずなので、その観点としても面白かったし、かな。個人的にも、今の彼女が出来た時に、その子の顔見ながらKanon問題について真剣に考えたりしたので、まあその辺特に。

クォンタム・ファミリーズ

クォンタム・ファミリーズ