佐々木俊尚 『ウェブ国産力』

日本のIT企業をいくつか取材した本。次世代、googleの一歩先にどんな分野がフロンティアとしてありうるか、というのが主なテーマだと思う。副題や帯の煽りはちょっと言い過ぎかもしれないけれど、まあ何をすべきかに気付いて1つ壁を乗り越えちまえば日本の企業にも勝機はあるのかもねえ。

読んでいての細かい感想。ライフログからのレコメンデーションが、次世代の検索エンジンの可能性として注目されてたけど、恐らく出始めに慣れるまでの得体の知れない気持ち悪さは相当なもんだろうなと思った。機械にそこまで読まれちゃうの? みたいな。こうなったらケータイじゃなくてメイドロボにして感情移入が出来るようにすれば克服できるぞ日本のお家芸だニッポンバンザイバンザイ!と思いながら読んでたんだけど、なんか既存のプロジェクトで「WEBオカン」というのが提唱されているらしい。そうか……オカンか……そうかー。あとは、テキストマイニングで相関だけじゃなくて因果を探りに行く、というのは凄いなあと思った。

後半、6章以降の情報大航海プロジェクトなんかに話が移ると、急に色んな日本の現実的問題を見せ付けられてちょっと凹む。

そう、竹中の言う通り、すべては「これから」なのである。

っていうのも、技術的な「これから」と、現実的な問題が解決される「これから」にちょっとラグがありそう、というか。

ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047)