青柳昌弘 『ペンギンたちの不思議な生活』

 ブルーバックスだけあってわりとガリゴリと科学、学問としてのペンギン。それなりに予備知識があった方がいい、かな。ペンギンの種名言われたら大体のツラが思い出せるくらいの人向けかと。まあ巻頭に絵付きで図鑑こそあるけれど、たぶんカラーの写真集系のを1冊持ってた方が中を読んでても楽しいと思う。著者自体もフィールドワークで現地で研究して仮説を提出してたり、わりとペンギン全体のマクロな生物学をちゃんとやってる。種類ごとの体の模様が持つ意味とか、ブルーバックスらしいわかりやすい切り口から始まって、生物淘汰を基調としたそれなりにシビアな生物学的な仮説を導く手法は、俺の個人的な趣向にも合ってて、個人的には需要ぴったりなとこで読めて良かった。