竹熊健太郎 『箆棒な人々』

なんだかとにかく「凄い」老人4人へのインタビュー集。

「外れた」人生を送るためには、「全うな」人生を知った上で敢えて道を踏み外す覚悟が必要なんだなあ。というか、その人なりの理想を人間像を追いかけた結果としてそうなっているわけだから、やっぱり根底には「人間」があるんだ、というのは当たり前のことかな。

特に面白かったのは川内康範さんへのインタビュー。なんつうのかな、宗教が根っこにあってそれを貫いてる人の哲学ってのは強いよな。もちろん他の人の人生も凄いし、それを引き出していく著者の腕も凄い。そこまで踏み込んで聞くんだ、っていう部分もあるけど、それはその相手の強さを了解した上でのことだし、なによりそういう信頼空間をインタビューの相手と作り出せるってのがインタビュアーの腕の見せ所なわけだ。

篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝 (河出文庫 た 24-1)