中吊り広告で遊んでいるんだよ

先週から札幌の実家に帰省しているんですが、自転車を使うのがめんどくさいので専ら地下鉄に乗ることにしてます。特に今回の帰省では1ヶ月もないのに自動車免許を取るというまあワガママを申しまして、10日中9日、1日2往復した日もあるから10往復以上も教習所に通い、すっかりボクも地下鉄男ですよ。印税がっぽりですよ。
んでも問題があるんです。地下鉄に乗ってるときって目線を何所においていいかわからない。札幌の地下鉄ってば随分と科学的なことに携帯電話禁止だし、結果的になんとなく伏目がちにいざるをえない。それで自分の前に立ってる人が女性だった日にはもう最悪ですよね。下半身を見られていると思われた瞬間にボクの人生は終幕じゃないですか。最早ボクみたいな人間にとって3次元の女なんてものはマグマなんです近寄ると死ぬんです。スーパーマリオブラザーズでいう穴ですよ。しかも彼奴らめちゃめちゃ当たり判定大きいじゃないですかそれは自意識過剰だろってくらいに。んだもんだから必死こいて気合避けしないといけない障害物なんです女なんてものは。こちとらエロゲの1つにも出てこないような女には興味ないっつうに。というわけでボクは地下鉄の中でもう壁と会話をするか眼球を自ずから潰すかという2択を迫られていたんですが、今回自分的に素敵な暇潰しを見つけましてね。よくある週刊誌とかの中吊り広告です。
んでもそのまま中身読んで面白いって言う広告はなかなかない。こちとら加藤ローサ柚木ティナの区別がたまにつく時もあるっていうくらいの芸能通だから週刊ポストとかの広告をただ眺めててもカスほどにもつまらんのですよ。そんなときに広げるべくはこの妄想の翼ですよ。この翼で以ってボクは太陽へと近づかなければならないのです。きっかけはどんな下らない広告でもいいのです。適当にとっかかりをつけてあとはひたすら妄想ですよ。

例えばこの雑誌。『美的』って雑誌の10月号の広告がこないだ地下鉄に載ってたんですよ。目立つ見出しとしては「だから私は「いつでも小顔主義!」」とか「「進化系ブラウン」「私の秋色NO.1」4人の選択こんなに違って、全部いい!」「'07-'08 秋冬ファンデーション新作コロシアム」なんかがありますね。普段だったら俺がこんな美容雑誌見るわけがないじゃないですか。これが実は、例えば鶏の美容雑誌だったと妄想した場合。「いくら美肌っても鳥肌ですよね」「進化系ブラウンって完全にチャボの新交配種のニュースだよなあ」って風に辻褄を合わせていきます。例えばこれが、美容雑誌を装った、夜店の射的屋御用達の専門雑誌だった場合。こうなると多分、「肌」とか「顔」とかは射的屋界隈での専門用語ですよね。恐らく「肌」は景品の並べ方で、これが上手く客を釣れるようになると仲間内で「美肌」と賞賛され、これを射的屋は一番の名誉とします。「顔」はその「肌」の中でも最も重要なファクター、一番大きな景品のことを指すのでしょう。そしてこの雑誌の提唱する「小顔主義」というのは、一番大きな景品にwiiやラジコンなどの豪華な景品を置いてもどうせ倒れっこないと敬遠されるのを避け、そこそこの大きさだが安定度の高いピカチュウの縫いぐるみなどをメインに置き弾を浪費させるテクニックですね。してやられるところだった…!

例えばこれ。札幌の地下鉄でやってるサタデーテーリングなんですけど、このページの真ん中くらいにいるマスコットが描いてある広告が地下鉄の車内にあるんです。んで、このテールちゃんとリング君に勝手にアテレコするのです。リング君「おっと転んで頭を打っちゃった」テールちゃん「あらリング君、脳漿がダダ漏れよ」とか、リ「おっと転んで頭を打っちゃった」テ「あらリング君、脳漿が柏崎原発よ」とか。

例えばこの雑誌。かの有名なノンノですよ。妄想の翼を羽ばたかせるのはこの見出し。「恋とHが丸わかり 運命のオリエンタル占星術BOOK」。この「H」とは一体なんの頭文字なのか。例えば「広島カープ」の略だった場合。津田の炎の魂はしっかりと黒田へと受け継がれているのだ!とか最多勝になったこともあるのにチームの台所事情に合わせて役割を変える佐々岡!みたいな熱い記事がノンノに載ってたら。そしたらノンノの読者層がちょっと好きになれるかもしれない。例えばHが「禿げるまでの日数」だった場合。もう街中で行き交う人々がM字はげを発症するまでの期間が日数単位で表示されますから。例えばHが「ハルマゲドン」の略だった場合。恋とハルマゲドンですからね、どんだけビッグバンな恋をしてるんじゃいと。

例えばこのキャンペーン。キヤノンが「お子さまの'はじめて'を撮影した映像を送ってください。」だそうな。えー、「初めて、友達に送ろうと思ったメールを間違えて父親に送ってしまった時」「初めて便座に逆向きで座ってみようと思いついた決意の顔」「初めてUSBメモリの表裏を間違えずに差し込めたときのニンマリ感」「初めてゴキブリを見た北海道人のテンションの上がり方」「初めての高校の同窓会に呼ばれていなかったことをmixiで感づく」この辺り撮るといいんじゃないですかね。

とまあこんな感じでニヤニヤしながら地下鉄乗ってるんですけど、たまに座席に座るとボクの横には誰も座ってきません。対面の席には詰めて座ってたりするのにボクの周囲5mは無人空間です。あはは…これで…冤罪の心配は…ナイデスネ…