竹井10日 『らき☆すた殺人事件』

秋桜の空に』で一躍名を揚げたエロゲライター竹井10日が、らき☆すたをノベライズ。日常パートにおけるギャグは天才と言っていいこの著者だからこそのこの題材に期待大、だったのだが。んー。どうすかこの出来は。あまりの薄さ(180Pちょっと)で連続殺人事件を起こして回収する、というので容量としては一杯いっぱいで、その期待してた日常パートが全然無くて、俺が期待してたのとはちょっと違う。あとがきを読む限り著者も、笑い成分はやはりエロゲで、と言ってるので俺の期待が的外れだったといえばそうなんだろうけど。ちなみに作中にも著者の宣伝が(多分半分はギャグとしてだが半分は本気だろう)混じるので、そういうの気になる人は注意。俺は『ひまチャき』忘れてたのでむしろ良かった。
ただし著者が原作ファンだというのも嘘ではないらしく。キャラはわりとしっかり動いてると思う。作中ではかがみ視点なんだけど、そのかがみが特によく書けてる。さすがツンデレ発祥(正確には、初めて「ツンデレ」と呼ばれたキャラの原作者)のライターとも言うべきか。そんな目で見ると、むしろ原作のファングッズとしてはアリで、変に著者名で期待してしまう方が間違ってるのかもしれない。まあ、そんな感じ。

らき☆すた―らき☆すた殺人事件 (角川スニーカー文庫)