倉橋由美子 『毒薬としての文学』

戦中産まれくらいの著者の、30年分くらいの中からの選りすぐりとして選ばれた随筆集。後半は文学者批判がメインか。初めて読んだ人だけど、なんというか、頭のいい、それでいて凄く冷静な人、という印象。おかしいものをおかしいと言えるだけの力が存分にある。特に学生運動なんかは目の前で見てる世代ですけど、そこの熱狂を理路整然とばっさり切り捨てる、ある意味での真面目さ。