100303-06

  • 実験
    • 水曜。えー、俺を含めて参加者が2人、しかも俺は前日の実験を寝飛ばしてるので、昨日からの引き継ぎがあやふやというか。とりあえずぶっ壊れたと噂のところを直して、前日の実験の再現性を見ようとするだけで詰まるというアレ。「……増倍管、かな?」とか色々いじってるうちにうっかり昨日と同じところを破壊するなど。単なる豆電球ですが在庫って無いもんだね。発注待ち。あとは1つ検出側のチェックをやって終了。
    • 木曜。引き続いての豆電球発注待ち。相場荒らしの仕業ですね。仕手戦ですよ。恐らくですが、こないだこの実験で理学部のある北部キャンパスの豆電球在庫が切れたのを誰かがめざとく見つけて、学内の豆電球を買い占めたに違いない。学内の生協に豆電球という豆電球が1個も残ってないんですもの。「アルゼンチン株と豆電球相場にだけは手を出すな!」という母方の祖父の遺言を無視したばっかりにちっとも実験が進まない。増倍管は生きてた。というか昨日俺がオシロスコープの表示レンジ間違えてただけの気がする。へこー。来週フィナーレ予定。
  • 竹内外史リー代数素粒子論』
    • 7節途中まで。ルートがどうのこうのなど。ちょっと具体的な代数計算とか増えてきて、ようやく手についてきた感じ。位相とかよくわからんですよ、やっぱ。

 人の記憶の形態ってのは色々あるみたいで、その情景の"言葉による記述"で覚えてる人がいたり、まあ情景の絵で覚えてる人の中でもその絵が2次元か3次元かとか、視点が自分に固定されてるか自由に動かせるかとか、各人で色々違うみたいですな。俺の場合は完全に2次元の1枚絵、しかも背景だけで中に人物とかがいないもの、っていうのを最初に思い出して、「これはあの時のあそこの風景だからここにはあの人がいたはずで、」とかいうのを付け足して物事を思い出していきます。で、めんどくさいのは、自分の記憶じゃない映画や漫画とかの記憶でもそれをやり、小説でも勝手に背景を想像して、でその背景をフックにして小説の中身を記憶します。挙げ句の果てには俺、自分の見た夢でもたまにこれやるんですよ。この話、前にも何回かしたねえ。まあいいや。
 そうやって記憶を蓄えておくと、ふとした拍子に脳に1枚絵が飛び込んで来て、「うわこれ何だ……?」て探してるうちに昔の思い出とか前にやったゲームとか小説とかを思い出すことになります。こうやって飛び込んでくるのは大概お勉強が中途半端に興が乗ってきた頃合いが多いのでアレですけど。まあこうやって文章で説明してると理路整然としたシステムみたいに見えますが、なんか知らない画像が飛び込んで来て俺の方で勝手にお話をでっち上げることとかもしょっちゅうではありますな。ある程度集中してお勉強してるうちに一方脳の片隅ではそのでっち上げたお話が勝手に進行していって、一息入れた時に「……で、この、俺の脳内で組長の娘に手を出して土下座してる若いのは誰?」とかなるわけです。ちょっと考えてから「あ、これ、俺の妄想だ」と。「じゃあこいつに鬼瓦くんて名前を付けてブログに書こう」と。逆のパターンでは複数の記憶の背景が混じってるってのもいっぱいあって、例えば、中学の修学旅行で行った奥入瀬で集合写真を撮った場所の絵と、俺が何年も前に見た夢の中の絵と、あとNintendoDSRPG世界樹の迷宮』のある背景が完全に一致しちゃって、どっからどこまでが俺が本当の記憶かわからんとかいうパターンもあります。今日も、学校の実験室で普通に数学のお勉強してたら、"山小屋っていうかロッジの中に貼ってある張り紙"っていう絵が入ってきて。お勉強しながら脳の片隅で勝手にこの記憶を掘ってくと、このロッジはそんな高くないけど見晴らしのいい山の上にあってそばに駐車場が付いてる、その近くに観光名所っぽい神社があってそこで売ってる御守りがすげえ高い、で俺はそこに両親に連れられて遊びに来てる、っていう記憶を思い出して。で、「これは実家から見るとこの辺にあった山のはず」って深く考えないまま位置関係まで、脳の片隅でちゃんとした記憶として出てきたんですよ。こりゃ珍しいなと思って、お勉強の手を止めて、この記憶にちゃんとした言葉っつうか名前っつうかを付けて「これは何歳頃にどこそこに行った記憶」ってちゃんと思い出として処理してやろうと思って、脳の片隅から真ん中の方に持ってきていざ言葉を使って考え始めて気が付いたんだけど、この場所、たぶん実在しないんだよ。というか思い出した位置に実際にある山はこれではない。ここまでちゃんとした記憶になってるけど現実とは矛盾してるってことは、どうやらこれは前に俺が見た夢での記憶でしかありえないわけですよ。完全に自分の記憶だと思ってたし鮮明さとかも実際にあったものだろうっていうくらいのものなのに。そしたらもう何が自分の記憶か全然信用できなくなって急に怖くなっちゃって、土曜の夕方に誰もいない実験室で1人で泣きそうになってますからね、俺。もう。今のところ俺はこの記憶に関して「両親と出かけるような年齢の時にそばに妹がいないのはおかしい、だからこの記憶は夢」っていうレベルの判断しか出来ないですけど、いや……もう……。これで俺が例えば知らない土地に旅行しに行ってこの記憶と完全に一致する絵を見つけちゃったら、尿をだだ漏らしするどころの話ではないでしょうなー。