マルティン・ブーバー 『我と汝・対話』

宗教的な色合いの強い哲学書。原初の概念を、「我」を中心として他を認識するこれまでのデカルト的哲学だけでなく、「我-汝」「我-それ」という二重的な関係性が存在し、その経験や知識をあくまで「我-それ」の関係でしかないとし、「我-汝」を重視しましょう、ということでそのやり方を詰めていく本、かな。例えば動物との関わりや芸術の理解なんかの延長として「我-汝」の関係に入っていくことを言ってみたりで、あんまり宗教的素養がなくても、言ってること自体は現代的なわりにわかりやすい。

我と汝・対話 (岩波文庫 青 655-1)

我と汝・対話 (岩波文庫 青 655-1)