貝塚茂樹 『孔子』

著者は湯川秀樹の兄弟さんだな。孔子の生きた時代を周辺的に整理していって、どういった人間だったかを探るような本。本自体がやや古めなのといかんせん新書なのとで、どうにも窮屈そうであんまり読んでて楽しいという感じではない。窮屈そうというのは例えば、『論語』は孔子本人じゃなくて弟子による編纂なんだけど、その中でも編纂時期によって資料の信頼度が違うっていうのがあって、本来資料の強度の比較材料として使われてるんだろうと思うけど絶対的に「これは編末の方にあるから後世の思想が混じっているかも」みたいな断定っぽさがあったり、他にも、途中で「きっと〜相違ない」が連発されてたりということなんだけど。孔子の思想そのものよりも人となりが知りたい、というやや研究者よりっぽい視点で知識が欲しい人にはありかな、という感じ。

孔子 (岩波新書 青版 65)

孔子 (岩波新書 青版 65)