ナボコフ 『ロリータ』

最初は幼女を描くエロさに興奮させられて、中盤には徐々に退廃していく主人公一行の旅路が醸す腐敗臭にあてられて、終盤には狂う主人公と哀れなロリータに共感させられて、ついでに注釈にはミステリさながらの物語としての構成美の深さに再読を誘われて。どれもがハイレベルで、しかもそれが全体としてまとまっている。これぞ古典という、小説としての存在感。第一部の幼女の描写で俺は完全に主人公側に共感しちゃったので、そっから後はもうだらだらぐだぐだな感じに乗っていけてただ圧倒されるばかり。すーごいっすー。

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)