壺井栄 『二十四の瞳』

銃後から見た戦争の無残さがクローズアップされがちな本だけど、特に戦争に限らず、戦前戦中での子供達に降りかかる運命、時代の歪さと言われるようなことが、暖かみのあるユーモアの中にそのまま書かれている。そのあたりはたしかに残酷だとは思うけど、なんか「戦後」から見た価値観で書かれてんな、というのは良くも悪くも感じるかな。その時代に独り戦後的価値観を持つ大石先生という存在を混ぜる事で歪を演出しようとしてるんだろうだから当たり前なんだけど。

二十四の瞳 (新潮文庫)