ガストン・ルルー 『オペラ座の怪人』

新訳なのかな。やたら読みやすかったけど、もう少し重たい訳の方が良かったかもしれない。あんまり軽くしすぎると、ヘタレお坊ちゃんと面食い尻軽女のただの略奪愛になっちゃうからなあ。オペラ座の地下、暗の部分に象徴された怪人の、一途に深く歪んだ部分にどこまで感情移入して、2回目を読みたくなるか、物語の深みを感じるか、というのがこの小説を楽しむ、というか好きになるポイントだと思う。俺はわりと好きですけどね。小説が久々ってのもあるけど、しばらくぶりに物語にのめり込んだよ。

オペラ座の怪人 (角川文庫)