野村美月 『”文学少女”と穢名の天使』

シリーズものの4作目。今回は直前に元ネタの『オペラ座の怪人』も読んだ上での勝負。んだが読後感は微妙ですなあ。なんかいい話で締めようとしてるけど、ずいぶんずいぶんな結末ですねえと思ってしまう。この、結局生きてる人が良ければいいんだよ、みたいな救いというか締めはこのシリーズ通して感じるけど、ちょっと自分は苦手。

ミステリとしてのストーリーはちょっと支離滅裂かなあ。無理やりなぞらえてる感じがするし、太文字パートが叙述になってるのも散々繰り返したし。ただ、今回のなぞらえは、ストーリー自身だけでなく人間関係に繋げて書いているので、続刊への伏線となっているなら面白いと思う。まあでもラノベっぽい焦らし方だと思うなあ、この巻は。これで冬休みのななせとの話だけで一巻持たせたらさすがに退く。

ななせが無駄な萌えキャラだと思ってたけど、立ち位置を獲得したなあ。このイノセントっぷりが今後重大な役割になってて欲しい。しかし、こういうツンデレは報われなくてこそ、じゃねえのかなあ、と俺のエロゲ脳が呟く。あとツンデレ的には賞味期限臭が漂うのが切ない。ななせ逃げてー←最後のアレ

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)