2012-02-26から1日間の記事一覧

荒川工 『ワールズエンド・ガールフレンド』

見破られるのが前提のまま続けられる叙述トリックと、それを逆手にとった結末の選択と。ギャグを抜いて、10年分の深みを携えた『ぼくらがここにいるふしぎ。』、なんて言うとアレだけど。ワールズエンドガールフレンド (ガガガ文庫)作者: 荒川工,くまおり純…

綾崎隼,紅玉いづき,柴村仁,橋本紡,入間人間 『19』

『19歳』をテーマにしたアンソロ。どうにも「19歳」を「もう過ぎ去った、不安定だった頃」みたいに振り返るような視点が多い、ような気がする。それをお得意の「一生懸命な少女」に仮託した、紅玉いづき『2Bの黒髪』が珠玉。入間人間の『19歳だった』も、キ…

竹井10日 『10歳の保健体育 4』

下ネタ寄りのギャグラブコメ。もう際限なく飛び出るロリっ子。ポケロリか。まあ、面白いのでいいです。10歳の保健体育4 (一迅社文庫 た 1-5)作者: 竹井 10日,高見明男出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2012/01/20メディア: 文庫 クリック: 24回この商品を含む…

森田季節 『神聖魔法は漆黒の漆原さん』

魔法少女ラブコメ、って括りでは何の説明にもなってないけど、今んとこそんな感じ。序盤の設定説明の部分の筆致がやけに拙くて、後の伏線とギャグ用の捨て設定との区別がよく分かんなかったので、ちゃんと説明役を用意してくれたらいいのになあ、って思いま…

アレクサンドル・デュマ 『モンテ・クリスト伯』

巌窟王の名前で知られている復讐劇。大部らしい、余裕ある丁寧な筆致の溜の部分と、対比的に大事なところのスピード感が面白かった。こっそり復讐の種を蒔き始める中盤、そっから一気に仇敵を陥れていく辺りの昂揚感も気持ちいいけど、読みながら「それはち…