アレクサンドル・デュマ 『モンテ・クリスト伯』

 巌窟王の名前で知られている復讐劇。大部らしい、余裕ある丁寧な筆致の溜の部分と、対比的に大事なところのスピード感が面白かった。こっそり復讐の種を蒔き始める中盤、そっから一気に仇敵を陥れていく辺りの昂揚感も気持ちいいけど、読みながら「それはちょっと無敵過ぎね?」って思った辺りで、最後の最後、我に帰ってちゃんと原点回帰して、最初の一巻で僕らの愛したエドモン・ダンテスに戻す辺りも上手い。良い意味でエンタメ小説。

モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈5〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈5〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈6〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈6〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫)