『銀河ヒッチハイク・ガイド』

 イギリス製のコメディ調のスペースSF。元ネタはラジオドラマとか小説で、有名な「42」の元ネタでもある。開幕早々の歌のタイトルがイルカが歌う『さよなら、魚をありがとう』だったりする、そんなイギリスノリの、色んなものを馬鹿にしたというか、ほんと下らなくて無意味でナンセンスなギャグが続いてってめちゃめちゃ面白い。SFとしてどんどんその無意味性が宇宙規模の虚無性になっていって、ほんとどうでもいいという無意味な意味が付いてどうでもよかった。これに、この映画を紹介してたラジオで取り上げられてた論点として、優秀だけど優秀すぎて悩むことを覚えてしまった超ネガティブロボットが、劇中で登場する銃(撃った相手を自分と同じ価値観にしてしまう銃)で悪役のモブキャラ(無能で官僚的)を撃ったときにそのモブキャラは全員動けなくなってしまう、このネガティブさを持った上でもネガティブながらに動けてたのはそのロボットが優秀だったからで、無能が悩むことを覚えてしまったらもう動けなくなるからだ、なんて点を考えると、この宇宙規模の虚無性のどうでもよさを見据えることの本当の底知れなさ、笑い飛ばしながらじゃないと扱えない何か、みたいなこともちょっとあって、いや、ほんと面白い映画でした。

銀河ヒッチハイク・ガイド [DVD]

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