大石慎三郎 『江戸時代』

 漠然と「江戸時代」と銘打っているんだけれど、章ごとに雑多なエピソードを取り扱っていて、しかもそれがなんか豆知識的に面白い問いの立て方をしているわけでもない。でもなんか、「江戸時代は治水工事が多く進められて、結果農地は3倍になったんだ」とか、尾形光琳の実家の呉服屋の話とか、検地に関わる汚職の話やら貧窮する領主の話など、きちんと一次資料をひいて丁寧に説明してくれるので、なんか読み終わってしばらくしてから「なんで俺、こんなこと知ってるんだろう……」と変な気持ちになる。

江戸時代 (中公新書 (476))

江戸時代 (中公新書 (476))