『真珠の耳飾りの少女』

 17世紀の有名な、フェルメールの絵画をモチーフにした、映像の綺麗な映画。この絵に描かれているのが誰かは知られていないのだけれど、それをフェルメールの家に雇われた使用人だとして、その下働きなのに色彩のセンスがあるメイドとフェルメールとの間に通じる感覚、それを恋愛だと勘違いして嫉妬するフェルメールの妻なんかを描く。なんつうかねえ、基本は17世紀のオランダの粗雑で薄汚い情景をそのまま描く(何故かイギリス英語で喋ってるけどな)んだけど、時折、「この色を撮るぜ!」っていう時に、風景の素材を輝かせる光の色がびっくりするくらい綺麗で、まあ光の画家と呼ばれるフェルメールを扱うだけある映像美で勝負している。その美しさを印象づけた前半に対して、遂に後半、この絵を描き始めるにあたっては、題材の色白の少女に画面が迫るだけでなんというか、美しさをその中に見出す過程が実にエロエロしくて、更にフェルメールがそれに唇を半開きにするよう、下唇を舐めて光らせるよう要求する、画面はじっとそれを映すとなると、ちょっと無修正で映してはいけないレベル。耳飾りのピアス穴を開けるシーンが破瓜にしか見えない。ちょうエロかった。