『レ・ミゼラブル』

 キャストが演じながらの生歌、ってのが売りのミュージカル。160分くらいあって、説明台詞も全部歌うから、やや長く感じられるかも。重たい序盤の説明から、それを芳醇に使って人を愛すること、赦すこと、受け入れることという感情を高らかに歌っては神に召されていく、まあある意味ではキリスト教的な話だけど、でもそれを人間普遍のテーマとして取り上げる程度には成功していると思う。まあ個人的に、キリシタンにとっての原罪ってのがこの映画でいう「最初にパンを盗んだとこ」にあるのか「銀食器を持ち出したとこ」にあるのか「彼女を見捨てたとこ」にあるのかは気になったけど。あと最後、主人公が安らかに死ぬとこで、突然娘が「パパ! パパ!」って言って入ってくるところに吹いたら、あとから一緒に観てた人に「感動のシーンなのに吹いてるし……」とか苦言を頂いたので、デートムービーとして見に行く人は気をつけた方がいいと思う。