中村元 『水族館の通になる』

 新江ノ島水族館鳥羽水族館などに携わった水族館プロデューサーによる、水族館の素朴な疑問Q&A、といった本。目次に数十個の素朴な疑問が並んでいて、それぞれ各2Pから5Pくらいで答えてしまう。現場の体験談とか、個人的には海外からの魚の購入の話とか、わりと面白い切り口の疑問があって、まあ面白いんだけど、しかし如何せん、一つ一つの話が浅い。この本の体裁とか素朴な疑問を考え出したのとかが著者なのか編集者の意向なのか知らないけど、「そっから話を広げれば、絶対面白いのに……」と思う話が多い。まあこの本の他にもいっぱい本を出してる著者だし、その辺りは分かってやってるんだろうけどなー。まあ、自分の気になった話を心に留めておいて、そのうち解決する機会があればいいな、でもいいんだろうけどさ。

水族館の通になる―年間3千万人を魅了する楽園の謎 (祥伝社新書)

水族館の通になる―年間3千万人を魅了する楽園の謎 (祥伝社新書)