ドストエフスキー 『貧しき人びと』

 ドストエフスキーの処女作。書簡形式で、冴えないオッサン(貧乏)と可憐な乙女(貧乏)の報われない恋の話を描く。その前半の、貧乏特有の何をやっても上手く行かないもどかしさと、ふとしたきっかけでそれを脱出するあっけなさと、そして貧乏は抜け出ても、むしろそれこそが理由で恋が実らないっていう、運命のようなものの根強さ。

貧しき人びと (新潮文庫)

貧しき人びと (新潮文庫)