村上春樹 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』

 インタビュー集。時間軸としては、1997年、『アンダーグラウンド』が出た直後から、『1Q84』を書き終えるくらいまでの長期間に及ぶ。あんまり表に出てこない作家(自宅写真が出てるって理由だけで昔『Arne』を買ったな)だけど、作家が自分自身の言葉で誠実に紡ぐ、語りというのの強度は物凄い。インタビューなので聞き手が尋ねるポイントは重複しがちで、特に作劇論に話が及ぶことも多いんだけど、その答えが基本的にはずっと同じことを答えつつも、少しずつ発展というか漸進のようなものが見えて、なんか、中1の頃からずっと好きな作家にそんなことが起きていると言うこと自体に、本当に励まされるような気がする。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです