一肇 『くくるくる』

 自殺願望少女とストーカー男のゆるふわボーイミーツガール。このすっとぼけたような、ズレて、浮いてる雰囲気が変な強度を持っていて、終盤はいわゆる超展開が待ち受けているのだけれど、それをも飲み込んで消化しきって、物語の原点の提示にちゃんと戻ってくるという、まるで読んでる側を小馬鹿にしてるかのような豪胆さ。面白かった。

くくるくる (ガガガ文庫)

くくるくる (ガガガ文庫)