森橋ビンゴ 『ぼくこい』

 オタク男子らが恋をして彼女を作ろうとする物語。そもそもの動機付けから始まる恋愛に対する微妙なメタ視点や、ハッピーエンドに終わらない結末も含めて、読者を適度に感情移入させながらも安全な距離に避難させておく親切設計。それに気付かずに、後書きにあるように「読めば、恋はいいものだと思ってもらえる。かもしれない。」に騙されちゃう人がほんとにいたら、このラノベこそが魔物でしょう?