恒藤敏彦 『超伝導の探究』

 BCS理論のBardeenの下で学んだこともある物性理論学者の著者が読み物としてまとめた、低温で水銀が抵抗を失うことをOnnesが発見してから、BCS理論という鮮やかな決着を迎えるまでの理論の歴史的な流れを書いた本。式が全然出てこない割に物理タームは結構自在に使ってあるという点で、違う専門分野の人間が読むのにこんなさくさく読めて大まかな流れとアイディアを掴むのに恰好の構成はない。BCS理論自体も、流れで見るとほんと綺麗にまくったなという感じで、まあ無責任に読む分には面白い。

超伝導の探究

超伝導の探究