『マイマイ新子と千年の魔法』

 @MOVIX京都。


 どうしたもんかな、たぶん、この映画を語る言葉を多分俺は持たないよ。始まってからタイトルが出るまでに一瞬でタイトルのキーワードを華麗に説明してたり、メインに描かれる昭和30年代と1000年前を"魔法"という言葉で多層的に見せてみたりと、技法としては上手いんだけど、それでいながら物語的なカタルシスを微妙に外してみたり個々のエピソードを投げ捨ててみたりで、「ここが面白い!」などのピックアップや解釈や説教目線のノスタルジーを許さない。それは多分、ただただ昭和30年代、そして1000年前の、子供目線から見た世界を、価値評価を抜きにして、ただただあったように美しく描いて、スクリーンの前に90分拘束する動画という手段でしか伝わらないもの。