『北村透谷選集』

明治時代に文芸評論とかやった人。自由恋愛主義とか、あとは変なとこだと元祖処女厨とか言われたりすることもあるんですかね。その

天地愛好すべき者多し、而して尤も愛好すべきは処女の純潔なるかな。

の書き出しで知られる『処女の純潔を論ず』もこの本に収められてますけども。そういうのも含めて、思想面と文学面の話がメイン。いかんせん25だかの頃に自死した人なので、それまでに一気に書いたような、若く、ある意味で詩人の理想でしかないような文章の奔流。『内部生命論』とか有名なだけあって明治のリアルタイムって感じもして面白いっつうかかっこいいんですけどね。あと、後半にいくつか18の頃に恋人に出した書簡なども入ってて、それ読むと一気に人物像が近づいて見える、かな。

北村透谷選集 (岩波文庫 緑 16-1)

北村透谷選集 (岩波文庫 緑 16-1)